アシュリ鉱山のダンジョン 2
【6/10書籍発売 よろしくお願いします!】
誤字報告ありがとうございます!
誤字修正って何時終わるんだろう?
反省してます!
でも引き続きお願いします!
おはようございます。
アシュリ鉱山のダンジョン三日目の朝。
天気は雪。
灰色の山肌を白く染める雪は見るからに寒そうだけど、鉱夫達は意欲的に働いている。
朝御飯を食べたら九階層ヘ。
アシュリ鉱山のダンジョンの最高到達階層は八階。
九階層の鍵を手に入れられた者はまだ無く、俺達が九階層の扉を開けた事で、外から見ていた鉱夫達が慌てている様子が見える。
鉱夫達の騒ぎを聞いたのか、九階層の見える位置まで駆け上がろうとして、鉱夫達や兵士に止められてる冒険者達の姿も見える。
外から丸見えなダンジョンなので、一目で俺達が初到達しているのが丸分かり。
手を振ってみたら何人かが気付いて振り返してくれた。
いつもの様に、手前の部屋を開けて閉めた途端火の海に包まれました。
バリアが有るのでへっちゃらだけど、何ならそのまま反撃してるけど、とても驚いた!
火が収まって広い部屋を見回すまでもなく、真正面に居たのは、口からチョロチョロと火を吐いている小型のドラゴン。
地を這う蜥蜴型のサラマンダーではなく、翼の有るドラゴン。
体長は二メートルくらいなので、ドラゴンとしてはとても小さいけど、間違いなくドラゴン。
「はあ?ド、ド、ドラゴン?!」
ページュリーが一番驚いている。
「おっほ!ドラゴンだね~!こんなに間近で見られるなんて~!」
「ふはっ!良いね~!倒しがいがあるな!」
「魔法はどの程度通りますかね?」
「あの皮を剥いだら良い防具が出来そうだ!」
皆ったら殺る気満々だね!
「えー、ドラゴン目の前にして、全然怯んでねえ?何なのこいつら?」
ページュリーだけがドン引き。
「まーりょく、そんなにおーくないし、たおしぇるんじゃない?」
「相手ドラゴンだぞ?!」
「まえに、もっとでっかいドラゴン出たからね」
「え?どこに?」
「おーとのちかく」
「でっかいってどれくらい?」
「う~ん、おしろのはんぶんくりゃい?」
「お城の半分って、リュグナトフ国の城だよな?」
「うん」
「周辺国で一番デカイ城で、ミルリングの倍くらい大きい?」
「たびゅん?」
「そんなドラゴン出たら、国が終わるだろう?!」
「たおちたよ?みんなして」
「………………………………リュグナトフ国の強さって?!全然全く敵う気がしねぇ!」
「でも、ちゅよくなりたいんでしょ~?」
「そうだな。強くなりてーよ」
うつ向きながらでもハッキリと答えたページュリーが、今日も訓練を始める。
隣にはプラムもいる。
同じ様にバリアを張る訓練から、体内で魔力を循環する訓練。
もう何年も一緒に過ごしているプラムの方が、俺や皆の張るバリアに慣れているので、バリアの強度を上げるのにそう時間は掛からなかった。
プラムとページュリーが互いのバリアをぶつけ合って強度を上げる訓練をしている間、アールスハイン達は、爆笑しながら魔法剣を駆使して、縦横無尽に部屋を駆け回りながら戦っている。
その合間にバンバンユーグラムの魔法が飛ぶ。
相手は小さいとは言えドラゴン。
小ささを活かした素早い動きで魔法を回避し、鉤爪とブレスと言われる炎の息でアールスハイン達を牽制。
両者まだどちらも無傷。
長引きそうな予感。
ページュリーには魔法剣もボードも教えていないので、コントロールが難しい。
魔法剣とボードはまだ国の秘密なので、輸出もしてないし情報も公開してない。
アマテ国のゲンゴロウお爺ちゃんは、ほぼ自力で辿り着いてたので秘密よ!って教えちゃったけど。
見てるだけでは飽きてきたのか、我がペット達は遊び始めてしまった。
ソラとラニアンは小さくなって部屋を走り回っているし、ハクはページュリーとプラムのバリアを触手で叩いてる。
ルクスは俺の頭の上で寝てる。
まだ仲間になって数日なので、聖獣である俺とラニアンにしか触らせない。
その微妙なツンデレ加減がツボなのか、ユーグラムとディーグリーが手をワキワキしてる事もしばしば。
強度は上がってきたとは言え、ハクの触手を防げる程強くはないので、バリアを破られると同時に軽く吹っ飛ばされるページュリーとプラム。
それに何度もバリアを張り直し挑む一人と一匹。
ハクは加減をしてるので、大怪我は負わないけど、中々根性のある一人と一匹である。
アールスハイン達は、強敵を前にテンションが上がっているのか、少しくらいの傷を負っても爆笑しながら戦っている。
とても楽しそう。
なので手出しはせずにたまに治癒の魔法玉をぶつけてやるくらい。
アマテ国のダンジョンにいた、ダイアモンドぞうさん程は硬くないので、程々に傷も付けられるし、油断すると攻撃を食らう丁度良い相手。
夢中で戦う姿は年相応に若者らしく楽しそう。
爆笑が響くなか、暇をもて余す俺。
たまに治癒魔法玉を投げなきゃいけないし、ページュリーとプラムの様子も見てるので、何かに集中して作業する訳にもいかない。
小さくなって部屋を走り回っていたソラとラニアンも飽きたのか戻ってきたし。
二匹に埋もれながらボケーっと見学。
誰かに揺り動かされて起きた。
どうやら暇すぎて寝てしまったらしい。
俺を起こしたのはアールスハインで、その顔は達成感に満ちてはいたが、身体中に傷が出来ていた。
他の皆も同じように笑顔なのだが傷だらけ。
そしてその向こうにはドロップ品だろうドラゴンの皮とそれにのせられた肉の塊、爪と牙と目玉、鍵があった。
取り敢えず起きて皆を治療。
深い傷は無いようで、それ程時間も掛からず終了した。
ドロップ品も回収して部屋の外へ出ると、向かい側の鉱山で働く人達の中で、俺達に気付いた人が叫んだか何かして、全員くらいに一斉に見られた。
皆が意気揚々と手を挙げたり振ったりすると、声は聞こえないが盛り上がってるのがわかる。
時間は夕方よりは少し前。
昼ご飯も食べずに寝こけてました。
なので本日の戦闘は終了して、早目の夕飯にする。
夕飯はリザードの肉のステーキ。
ガツンとニンニクを利かせたスタミナステーキ。
鉄板の片隅ではじゃがいもも焼いて、タレにもニンニクと胡椒をガツンと!
ワカメスープとサラダも付けて、主食はご飯。
がっつり食べる時はパンよりも米を食いたい日本人です!
皆鉄板の前に陣取って、サラダをモリモリ食べながら肉が焼けるのを待っている。
ラニアンは生肉派なので、浄化だけした生肉を食ってるんだけど、ルクスちゃん?なぜ君も肉の端っこをつついてるのかな?
そのフクフクと丸いヒヨコのような見た目で、肉を食らうんですか?
焼き上がった肉は、奴等の胃袋に次々と吸い込まれ、相当な大きさのあったリザードの肉が、丸々一塊無くなった!
皆勢い良く食い過ぎて動けなくなってる。
テントの中で呻きながら転がる面々は、妙に満足そうで幸せそうな顔をしてる。
俺は大人なので、そんな奴等は放っておいて程々に食って風呂に入って早々に寝たよ。
おはようございます。
天気は雪。
灰色の鉱山を雪が白く染めてて、何だかとても綺麗になった感じ。
流石に雪が積もってくると、鉱山も休みになるのか、ダンジョンを出入りする冒険者を眺めながら、酒盛りをしてる鉱夫達の姿まで見える。
腹がパンパンに膨れる程飲み食いした奴等は、そのまま風呂にも入らず寝てしまった様子。
寝室から出たら皆が転がっててびびった!
ただ寝てただけだったけど。
目覚めてノロノロと風呂に入り、胃もたれすることもなく、軽めの朝食を食う奴等。
若いって凄いね!あれだけの肉とニンニク食って翌朝胃もたれしないんだって!
たぶん俺も、今の体なら胃もたれはしないだろうけど、気持ちがおっさんなので無理はしません!
テントをしまい、休憩所を出るとまた昨日の続き。
昨日とは別の部屋に入る。
扉を閉めた途端攻撃が来るのも昨日と同じ。
大きさも形状も同じような、でも色違いのドラゴン登場。
今日のドラゴンは風かな?緑色のドラゴンで、こちらを威嚇するように睨んでる。
そして始まる戦闘。
今日は初っ端からヒャッハーしてる面々。
実に楽しそう。
その周りをソラとラニアンは今日も走り回っている。
デブ猫とポメラニアンがじゃれ合いながら走る姿はとても可愛いのに、すぐ側でドラゴンと戦う面々が居てとても落差のある光景。
ソラは妖獣、ラニアンは聖獣なので、人間のアールスハイン達よりも当然魔力が多い。
たまにドラゴンの注意がソラとラニアンに向かうのだが、攻撃される前にラニアンがキャン!と可愛らしく鳴くだけで、ドラゴンは攻撃を止めてしまう。
何それ?聖獣の風格?ただ可愛く鳴いただけなのに?!
我がペットがドラゴンを物ともしない!可愛いのに格好いいとは?!
そしてこちらも昨日と同様訓練してるページュリーとプラム。
その訓練を見守るハク。
ページュリーとプラムは、バリアにも馴れてきたので、今日は動きながらの訓練。
ページュリーは剣を持って、プラムは爪を出して、ハクの触手と戦っている。
ページュリーの剣もプラムの爪もハクの触手に傷一つつける事も出来なくて、逆に吹っ飛ばされてバリアを壊されてる。
うん順調順調。
プラムの方はそろそろ肉体強化出来るんじゃないかな?
体内を巡る魔力が段々速くなってきてるようだし。
ページュリーの方はもう少し掛かる感じ。
まだ腹の辺りでグルグルしてる。
たまに治癒の魔力玉を投げ、訓練の様子を眺める暇なお仕事。
ダンジョンはどう言う仕組みなのかは知らないが、戦闘を途中で止めて部屋から出ると、次に入った時には魔物が無傷に戻っている仕様。
なのでそろそろお昼で腹が減ってくる時間なのだが、戦闘が続いているため昼ご飯て訳にもいかず、クークー鳴く腹を擦りながら皆を眺めてる。
走り飽きたソラとラニアンもナ~ク~と鳴きながら空腹を訴えているので、聖魔法玉を食わせた。
そしたらルクスが気付き、ハクとプラムも寄ってきた。
普通に何時ものように聖魔法玉をあげただけなのだが、食べた途端にプラムが光りだし、
「ヤーヤー、ヤァーヤァー」
と段々低くなる雄叫びをあげながら、益々光っていき、
「ヤヤァーーーーー!!」
ブワッと拡散した光の中から姿を現したプラムは、
「え、にゃんで?」
と思うような、巨大なハムスターの姿だった。
え、ホントに何で?
レッサーパンダからハムスターに進化って有り得るの?
理解が出来ずにただただ困惑していると、
「な、なあ、ケータちゃんよ、何がどうなって奴は姿を変えたんだ?進化?退化?種族が変わるって有りなのか?」
「わかんない。はじめてみた」
「進化する動物や獣族ってのは聞いたことあるが、まるで違う生き物になってんじゃねーか、妖獣ってそんなもんなのか?」
「ちららい」
「それに強そうには見えねーけど」
うん、ふっわふわの毛に被われたフクフクとしたハムスターだね!
本人も自分の変化に驚いているのか、頻りに自分の体をさわさわして変化を確かめている様子。
大きさがイングリードくらいある巨大ハムスター。
取り敢えず抱き付いてみる。
まふっと毛に埋もれる感じ。
ハクにも負けない柔らかさと暖かさのある、極上のフランネル毛布のよう。
きんもちい~~い!
俺を見て、他のペット達も次々に抱き付いてくる。
「ヤヤ、ヤァー」
大きくなった事で声も低くなり、抱き付いていると体に響く声で、困惑したように鳴くプラム。
「かわいーからいいんらない?」
「ヤヤ?」
「うん、かわいー」
「ヤヤ!」
可愛いと褒めたら本人も満更でもない様子。
有り得ない進化を遂げたプラムだけど、可愛さは変わらないから良いんじゃない?
極上の触り心地のプラムに釘付けの俺達でした。
感想を頂いた中に、疑問を持たれた方がいらっしゃいましたので、捕捉、と言うか伝わらなかった部分ヘの言い訳。
聖女に魅了魔法があるなら、王族や宰相も引っ掛かるのでは?との疑問ですが、二股聖女は自分好みのイケメンにしか興味が有りません!
それと、もし好みだったとしても、王様や宰相さんと接触する機会がほぼ初対面時しか有りませんでした。
魔法の使い方もキャベンディッシュが指導しているので、まるでなっちゃいません。実質意識して使うことは出来なかった。と言うことで納得頂けるとありがたいです!




