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第三幕 国家を滅ぼす者達。 1


「全員、ゾンビの軍団に変えてみせるわ」


 数日後の事だった。

 グリーシャの得体の知れない力による封印は解き放たれていた。

 メアリーは嬉々としていた。

 グリーシャはそのうち殺す事だろう。

 だが、その前に、ルクレツィアを我々のものにする事は変わらない。


「楽しそうね? メアリー」

「ええっ、とっても」


 ルブルは無邪気そうな顔だった。

 メアリーの両眼は、残酷さに満ち満ちていた。


「生きている者達は醜いわ。さっさと私達の配下にしましょうっ!」


 彼女の声から高らかな頌歌(しょうか)が奏でられる。

 それに応えるように、魔女の使役する死の軍団が、雄叫びを上げていた。




 兵士選抜試験の後、何名もの軍人達が出来上がっていた。

 彼らは巨大な怪物、クレデンダを倒す為に出来上がった部隊だ。

 

 上官が彼らに指揮を取り、不死身の兵隊であるように告げる。厳しい訓練の末、彼らは怪物に挑むのだ。彼らは独自の剣と魔法によって、怪物を倒そうと決心していた。


 中には、戦士ギルドや魔法使い達のギルドのメンバーもいた。

 彼らは、ルクレツィアを守る為に戦うのだ。

 みな、命を掛けて、我が愛する国を守ると誓った。


 ……そして、彼らは死ぬ為に戦うのだ。…………。



「兵士にはならないでください」

 ミントは、ジェドを優しく抱き締める。


「私はこの国の王を信用していません。貴方は使い捨てられるだけ。なら、私と共に戦いませんか? みな、力のあるものに縋りたがる。この国の王様は力を持っている。でも、私はそれを信じない。この国の王様はギルドの対立を収めた事さえも無いのに……」


 ジェドにとっては意外だった。

 誰にも優しいミント、彼女といると、色々な人間を信じられるような気分になってくる。けれども、彼女はこの国を、この国の王様を信じるなと告げる。


「私達は、私達の戦いをしましょうっ!」

 ミントは叫ぶ。


 ジェドは、自らに対して怒り続けていた……。



挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


メアリー

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