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ありえない生産職~あんたが生産職なワケがない!!~  作者: 四宮 皇季
第一章 マオはペットが欲しいです!
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第二十四話 シアの装備を作ろう

 たくさんの方々のお陰で、更新時に確認したところ……日間総合・ファンタジー部門2位と──凄く感激しております。

 誤字・脱字が多かったり……申し訳ありません。


 未熟な作者ではありますが、『ありえない生産職』共々よろしくお願い致します。


 6月18日 誤字・脱字の修正をいたしました。


 7月20日 誤字の修正をしました。

 先程加わったエリシアを連れて、作業場の個室に来ました。その道中、ボクたちを盗み見る視線を感じましたが、無視しています。


「それでは、シアのスキル構成を教えて貰えますか?」


 既に、ボクとミイのスキル構成は話してあります。シアは少し迷った様子ですが、真っ直ぐボクたちを見ています。


「私のスキルは〈斧〉〈切断力上昇〉〈二刀流〉〈腕力上昇〉〈身体能力上昇〉〈ステップ〉〈ジャンプ〉で、空きが一個よ──」


 緊張しているのでしょう。

 見た目と正反対のスキル構成になってますね。所謂『筋肉バカ』としか言えません。

 ユウキから聞いているスキルで『死にスキル』が〈二刀流〉〈ステップ〉〈ジャンプ〉になります。


【二刀流】 両手で別の武器が使えるようになる。


 この世界(リアルワールド)では根性論で使用出来るそうです。


【ステップ】 素早く前後左右の移動が出来る。


 スキルがなくても、普通に行える動作です。


【ジャンプ】 高く跳べる。十レベル毎に一m高く跳べるようになる。


 これも個人差はありますが、誰でも跳べます。スキル構成次第で、二~三m飛び上がることが出来るそうです。



 評価:このスキル構成でよく、鉄防具を装備しようと考えたことが信じられません。


 シアは何を考え、何処に向かう気なのでしょうか?


「まずは、シアの考えている戦闘スタイルをハッキリとしましょう! ボクたちは効率とかは気にしないので、一から形作ってみませんか?」


 シアが頷くのを見て話を進めます。


「最初に、種族は何ですか?」


「見た目通りの『ヒューマン』よ」


「ハーフではないのですよね?」


 コクン と頷くシアを見て、ある程度の方針を頭の中で考えます。


「ヒューマンはバランス型と説明されていたですが、実のところどうですか?」


 シアは少し悩み、話しました。『リアルワールド』の名の通り、現実の性能差が出るらしいです。

 アバターの差は基本的にありません。(ハーフを除く)


「では、シアはどのように戦いたいですか?」


「素早く動いて、敵を斬っていろんな形で戦いたいな──」


 そう言うシアの顔は、『遠足前の小学生』でした。


「ボクたちの防具は服なのでスキルは要らないですけど、シアは<軽鎧装備>は取ってください。

 オーダーメイドで防具を作っても、ペナルティーを受けては意味がありませんから……」


「わかったよ。<蹴り>や<脚力上昇>は使えるのかな?」


「なかなか──よいチョイスではないでしょうか。どちらにしても『大地を踏む』や『大地を蹴る』は、ある意味では同じですから。

 それに、<ステップ>に<ジャンプ>にも有効でしょう」


 ボクは思ったことを言っているだけに過ぎません。


「なら、今回は〈軽鎧装備〉を取るわ!」


「こんなところですかね……今から鎧の作成をしますので、二人は連携について、話し合っておいてください」


 ボクはそう言うと、鎧の作成に入りました。

 メインで使う素材は数の多い『ウルフ』を使おうと思います。


 ボアの毛皮を下地(ベース)として、中層にロックスがドロップした鉱石の中に『軽鉄鉱』と言う、金属がありました。



【軽鉄鉱】 鉄の一種であり、重さは同体積の鉄の半分くらい軽さだが、強度が3分の1と耐久性に乏しい。 ランクD+ レア ★★☆



 これを精練してインゴット化します。さらに、〈錬金術〉で金属の純化を行います。純化を行うことにより、金属の持つ性質の底上げが目的になります。



【軽鉄塊】 軽鉄鉱に錬金術を使い、重さは変わらず半分だが、耐久性を鉄の半分まで上昇させた。 ランクC- レア ★★★



 これで中層に使う金属が完成しました。今度は、表層部分で使うウルフの毛皮に〈錬金術〉をかけて、ウルフの毛皮(中)にします。


 まず、ボアの毛皮をパーツ毎に切り分ける作業になります。

 切り取る大きさは既に、シアの身体を測ってあるので少し大きめに、余裕を持たせて切り取ります。

 パーツは背中一枚、脇下部分二枚、前を左右で分けて二枚の計五枚のパーツです。


 次は先に精練して置いた軽鉄塊を、コネコネと混ぜながら、細く細い鋼糸状にして、リークスさんに教えていただいた、機織りで布地に仕上げます。

 今回、初めての試みなので、無事成功したら次の防具にも活かしたいです。


 最後に、一番目につく表面部分になります。何度も毛皮の毛並みの向きを念入りに確認します。これには理由もあり、公式サイトや掲示板でも書かれ、職人気質のプレイヤーによりβ時代から検証もされています。

 上から下に向かうように、確認したら切り抜きます。


 全てのパーツが完成したら、三枚がズレないようにまち針で留め、魔導ミシンで縫い合わせます。この時使った糸も、軽鉄塊から鋼糸状にした糸を使っています。


 上着が完成したら、下着を同様の手順で作ります。

 ミニスカートタイプでおしり部分に、いつの間にか狩っていたウルフリーダーの尻尾をつけます。


 ブーツは膝下まで一体化した、ロングブーツをベースに靴底と爪先には、軽鉄塊で厚めに形を作ります。後々、スキル〈蹴り〉を取ると決めたそうなので、威力増加を目指します。


 アーム部分は、手首から肘までの間のものにします。


 最も悩んだのが頭部の装備で、これはベレー帽にウルフリーダーがドロップした『狼ミミ』を付け完成です!

 犬(狼ですが)ミミ帽子です‼


 即席鞄(ストレージバック)を服と同じ布で作り、シアの全身装備の完成です‼



【ウルフシリーズ マオ印】 様々な工夫を加え、狼ミミ・狼しっぽも加えた、可愛さもある一品。 DEF+80 MDEF+45 AGL+30 ランクB レア ★★★★☆ エリシア専用

 ※セットボーナス発生中‼ 装備を外すと消えます! 力上昇・中 野生の本能 狼の嗅覚



 またしても異常な(ありえない)性能の防具が出来ました。

 基本的に、同シリーズで発生する『セットボーナス』ですが、掲示板を見る限り──若干高い性能っぽいです。


「シア‼ 装備が出来たので、着てみてください!」


「もう出来たんだ!? 嬉しいな~♪ 着てみるよ?」


 着た姿は、ボクより高い身長なので、一口に『カワイイ‼』と言うのではなく、『カッコ可愛い‼』 感じになりました。


「どうですか? 動き易さは問題ないですかね?」


「身体も軽いし! 動きもなんかキレを感じる‼」


 満足していただいたようで、作り手(こちら)としても嬉しいです。

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