第二十二話 初めての強敵! その2
皆様のお陰でブックマーク500件突破いたしました‼
さらに、6月15日 総合50位、ファンタジー部門32位という快挙を遂げました‼
厚く感謝申し上げます。まだ、未熟な作者ではありますが、これからも、当作品『ありえない生産職』をよろしくお願い致します。
6月22日 誤字の修正をしました。
7月15日 誤字の修正をしました。
7月20日 誤字の修正をしました。
あれからも黒竜と話、色々なことを知りました。この世界のこと、特殊なスキルに関して──そして、黒竜はこう言いました。
『マオ、現状のお主には出来ぬことはないだろう──然れどそれは人形としてだ──』
黒竜はボクの持つ"天賦の才"をそのように評価します。
『ワレに勝てるとは、思わんだろう? それが──人形としての限界となる。
お主は、他の者がどれほど望もうと届かぬ──その頂に届きうる『才』を持っている』
黒竜の瞳は、ボクに─どうする? ─と語りかけています。しかし、ボクの行動理念は最初から、決まっています。
「ボクは、"生産者"マオ としてこの世界で生きています。ですので、今更やりたいことを変えることはしません!
素材に必要なら、貴方たち『八竜』ですら──狩ってみせます!!」
ボクの切った啖呵に、黒竜は肩?を震るわせました。
『ククク──クハハ──クハハハハ────!!!!
──面白いぞ!! マオ、お主のような存在は、これまでの人生? で見たことがないぞ!!面白い!!』
大気を震わせる笑い声が、ボクに向けられます。
『思うのではないよな!! そのときは、全力で来るがよい!
ワレが直々に相手してやる!!』
「──ですが、そのときは……素材目的で狩ることになりますよ? 死ぬことになりますけど……」
『心配は無用だ! ワレら八竜は、不死不滅の存在。死のうとも再び甦るわ!!』
その言葉を聞いたボクは、自分のことを棚に上げ「流石にそれはなしでは──」と思ってしまいました。
黒竜はボクがそんな事を思っているとは知らず、愉快そうに笑っています。
『では、マオにコレを授けよう。ワシ以外の処では効かぬが、竜域の通行証になる──』
ボソッと、「──竜種に襲われるがな……」という言葉を聞いてしまいました。
そんな物騒なアイテムをいただいても……と思いましたが、リュオのご飯は強い竜種の肉を与えることで、より強く・逞しくなるそうです。
「物騒な代物ですが、そう言われたら返しませんよ?
リュオの成長の糧となっていただきます!」
ボクは燃えてます! 肉はリュオのご飯に、他の素材は生産活動に使えますので……。
『そのリングに八個の穴があるだろう? そのワレらを倒した際に出る、勝者の証たる『竜玉』を嵌め込めば、次なる竜域の通行証になる』
「なるほど……通行証があれば更に上の竜域に行けるわけですね。そうすれば……リュオが強くなるし、レア度の高いモノも手に入る──」
まず、倒すべきは目の前の黒竜ですね!
ボクは黒竜を見上げます。ボクの視線の意味に気付いた黒竜は、ニヤリ! とその大きな口をつり上げています。
それは無言の『何時でもかかってこい!!』 と言う自信でしょう。
「近い内に一度、『黒竜の竜域』にお邪魔します。場所はどちらなのでしょうか?」
『ワレの住みかは、日の昇る方向にある─荒野、砂漠─がある。何もなき大地……それがワレの竜域だ』
おそらく街の北側でしょう。確か、プレイヤーに『無の砂丘』と言われた、強MOBが多いというのは……βテスターであるユウキの弁でしたね。
「まずは、装備の充実から行いましょう!」
ボクの新たな目標が一つ見付かりました。
この『竜域の攻略』をもう一つの目標として、行動しようと思います。
まずは、スキルレベルを上げて、より上質な素材を使い装備の充実を行いましょう。
『──さて、ワレは竜域に帰るとするかな。
マオよ、ワレは竜域の深奥にいる。待っておるぞ!!』
そう言うと黒竜は翼を広げ、竜域のある方向に飛んでいきました。
「ミイ、お待たせいたしました。一度街に帰り、探索の準備をいたしましょう。帰り道で狩りを行いましょうか……」
「──マオは、竜域に向かうの──?」
ミイはボクを見上げ、確認してきました。
ボクはミイを見つめて、その質問に答えました。
「はい。もっとスゴいものを作りたいですし、リュオのご飯も上質な方が良いようなので……」
ミイは……反対なのでしょうか? 気になってしまいます。
「──私も、連れてってくれる?──」
「ミイが拒否しない限りは、一緒にこの世界を冒険しませんか?」
ミイがボクの腕に、顔を寄せてきます。その頭をボクは空いていた右手で撫でます。
「迷惑かけると思うけど──よろしくね♪」
ミイは笑顔でボクに微笑みます。
「──こちらこそ。一度街に帰って情報収集をしましょう。
まだ北は早いので、今度は東に向かいませんか?」
「うん♪ 問題ないよ!」
ボクたちは、新たな仲間『幼竜リュオ』を抱き締めて岩山を下っていきます。
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岩山から歩いて街に着いたのは、昼過ぎになります。
この世界に入ってから、毎日食事をしています。食事に関しては、特に支援効果はなく、現時点では『空腹度』はないので嗜好品的な扱いになっています。
ボクが毎食ご飯を食べるのは、住人からの情報収集に役立つからだ! と言いたいですが……半分は違います。
『リアルワールド限定の美味しいものを、食べたい!!』
これが本音になります。
現在、ミイとリュオと昼食として、パン?みたいなものを食べています。これは味を付けた『ナン』が一番近いでしょうか?
「美味しいですね~」
「うん~♪」
「キュゥィ!」
リュオも満足なようです。ボクたちは、広場のベンチに座り食事中です。
ぐぅぅぅぅ~ぅ
どこからか、お腹の鳴る音が聞こえてきました。
「?」
ミイも周囲を見回しますが、姿がありません。
きゅる~ぅぅ
「!?」
ボクたちの下から音が聞こえてきました。
ガバッ!と立ち上がり、ベンチの下を覗き込むと……そこには少女が倒れてました。
くぅ~ぅぅぅ
間違いなく、音源はこの少女のお腹です!よく見ると──プレイヤーですよ……この子。
何か食べさせましょう。




