Part19:タニクゴン
フリーイラスト その19【タニクゴン】
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シチュエーション例・ショートショート
……なんか、変なのがいる。朝起きて、いつも通り観葉植物達に水をあげようとしたら……窓際から変な鳴き声がする。
「昨日まで、ここにはハオルチアを挿してあったはずなのに……」
ハオルチアはツルンツルンでプルンプルンな肉厚感がたまらない、多肉植物の一種だ。そんな可愛いハオルチアに、これまた更に可愛過ぎる子株ができていたので、水栽培にしていたのだけど……。そのハオルチアらしきものが、モキュモキュと鳴いている。なんだ、これ……。
「モモキュゥ!」
「も、ももきゅう……?」
「モキュ、モキュモォ!」
「……よく分からないけど、なーんか、怒っているみたい……?」
とりあえず、お水を変えてあげればいいのかな……? そうして、よく分からないなりに水を変えてやって、元のガラス容器に戻してやるけど……。
「モキュゥ! キュワッ!」
「うわ! まだ、怒ってる! えっと……」
「ペッ、ペッ!」
「これ、もしかして……水が不味いって言ってる……?」
つぶらな瞳の間に皺を寄せて、ペッペと唾を吐くジェスチャーをしているのを見る限り……うん、お水が口に合わなかったらしい。意外とお行儀が悪いなと思いつつ、ここはお子様仕様にしましょうかと、コーヒー用にストックしてあるガムシロップをお水にちょっと加えてみる。すると……。
「モキュアァ……!」
あっ、満足したみたい。尻尾の先でお水をかき混ぜながら、目を閉じて……いかにも気持ちよさそうだ。
「しかし、これ……本当に何なんだろう……?」
突然、ちっちゃな怪獣っぽくなった「それ」を見つめながら、頭を掻くけれど。結局、「これ」が何なのかはさっぱり分からない。それでも……。
「ま、まぁ……可愛いから、いいか。……ただ、妙にグルメみたいだから、水やりに苦労しそう……」
【作者の言い訳】
今回はうっかり、線画バージョンの画像を撮り忘れました……。
なので、彩色後のみの掲載となっております。




