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「そうだけど。言ったらこの件から降りたかい?」
「降りないよ」
「だったら何も問題ないね」
「まったく」
上条は頭をぼりぼりとかき、言った。
「雅美ちゃん、あいつはどうなった?」
「何も感じないわ。今までに感じたことがないくらいに異様で強力な力だったけど、今は何も感じないわ」
「そうか。首尾よく花火で吹っ飛ばしたというわけだな」
桜井が言った。
「それは違うよ」
「何が?」
「花火であいつを吹き飛ばしたというわけではないと言うことさ」
「どういうことだ?」
「僕は言ったよね。あいつは闇そのもので、物理攻撃は一切効かないってね」
「ああ、聞いた」
「だから、そういうことだよ」
「だから、どういうことなんだ?」
「鈍いなあ。闇を打ち消すにはどうすればいい」
「……、あっ、光」




