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吸鬼  作者: ツヨシ
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「呼び寄せて、どうするんだ?」


「もちろんやっつけるのよ。いつもは祖父や父がやってたけど、今回は私たちだけでやらないといけないわ」


「どうやって?」


「悪いけど質問は後よ。もう呼び寄せるから」


「……ああ」


いつもよりも強い口調の雅美に圧され、上条はそれ以上何も言わなかった。


雅美は目をつぶり、顔を下に向けた。


上条は、呼び寄せると言うから何か特別な動きをしたり、呪文でも唱えるのかと想像していたが、そうではないようだ。


そのままの姿勢で動くことなく、口も開かなかった。


「待とうよ」


桜井が小さく言った。


「ああ、そうするしかないようだな」



二人は待った。


時間はそれほどかからなかった。


雅美が目を開け、言った。


「感じるわ。来るわよ」


桜井が棚の下から何かを取り出した。


棒の先に布を巻きつけたもの。


上条にはそれは、二本の松明に見えた。


桜井がそれに火をつけた。

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