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「はーい、そうしてね」
車は走り出した。
日付が変わっても、上条はパソコンとにらめっこをしていた。
思いつくワードを片っ端から検索にかけて。
しかし条件に合うような巫女の存在は、確認することが出来ないでいた。
――ほんとにそんな巫女、いるのかな?
桜井のほうは、どうなっただろう。
そんなことを考えていると、急に木本のことが気になってきた。
――桜井はああ言ったが、ちょっと様子を見てみるか。
上条は下宿を出た。
木本の下宿はそう遠くない。
ほどなくして着いた。
ニ三号室。
そこが木本の部屋だ。
玄関の前に立ち、夜も遅いので軽くドアを叩いた。
「おい、木本」
返事はなかった。
もう一度ドアを叩き、言った。
「おい、木本。大丈夫か?」
上条はドアに耳を当てた。




