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暗く湿気た洞窟の中で、結構な時間を使って。
結局それは、十個ほど見つかった。
桜井はそれを全てスマホで撮影した。上条が言った。
「どうしてこんなにお札が貼ってあるんだ」
「これで全部と言うわけではないだろうね。抜けずに消えてしまったものもあるだろうし。しかし見つかったものだけでもこれだけのお札があり、それが全て洞窟の内側にあるということは、やっぱりここに何かを封印したんだ」
「何を?」
「それは後でね。とにかくそいつは、今はここにはいないみたいだし。入り口が崩れたので、そこから出て行ったんだな。外と繋がったことで、封印が解けたんだろう」
木本が言った。
「そういえばここには、巫女服の女の死体があったそうじゃねえか。なんでそんなものがここにあるんだ」
桜井が答える。
「仮に封印したい何かをここまで誘い込んだとしよう。それからお札を貼ったり入口を塞いだと考えるのが自然だね。それなら岩にお札を貼ったり入口を塞いだりする間、その封印したいものがおとなしくじっと待っていると思うかい。いくつもお札を貼るのも、岩で入口をきれいに塞ぐのも、結構な時間がかかると思うんだが」
木本が言った。
「と、言うことは?」
「そういうことだね」
「何がそう言うことなんだよ。わかんねえよ」
上条が答える。
「わかってないのかよ」
「それじゃあおまえは、わかってるのか?」




