第十一章 ぼくたちのキャンプリゾート 1.思いがけない出会い(その1)
お久しぶりのマヨヒガです。今回から夏休み篇に突入します。
~Side 優樹~
「さぁ着いたぞ。今回はここのログハウスを借りる事になってる」
「上手くお父さんの休みが取れたから、今回は二泊三日できるわよ」
夏休み最初の土曜日、ぼくは両親といっしょに県内のリゾートキャンプ場に来ている。
ぼくの家ではここしばらく、夏休み中に田舎に行くのをやめている。その代わりにゴールデンウィークに帰っているんだ。どこに行っても混雑ばかりのゴールデンウィークに、観光地に行くなんて愚の骨頂だ――って、お父さんが言い出したのがきっかけだった。
お父さんの田舎の日野原だと、従兄弟たちが旅行に行きたがったりするわけだから、その日程とも相談しなくちゃいけないけどね。もっとも、どうもおじさんおばさんたちの本音は、ぼくらの帰省を口実にして、従兄弟たちのお出かけ攻勢をかわす事にあるみたいだけど。
お母さんの田舎の屋代木だと、外孫ばかりで従兄弟とかは同居していないし、何よりお祖父ちゃんがお寺の住職であまり外出はできないから、比較的自由に帰省できるんだけど。
ゴールデンウィークに帰省して、その上に夏休みにもっていうのは少し頻繁に過ぎるからって、夏休みにはあまり帰省しないようになってるんだ。田舎で何か用事がある時――法事とか――は別だけどね。
その代わりに、お父さんの休みとかが比較的取りやすい夏休みには、家族で旅行する事が多くなってる。みんなでここみたいなキャンプ場に来る事も多いかな。これって、お父さんの希望なんだよね。休みの日までスケジュールに追われたくないっていう。
ぼくたちもその気持ちはわかるから、自由時間の多いツアーか、もしくは完全に自分のペースで動けるキャンプなんかに行く事が多いんだ。お父さんもお母さんも大学のワンダーフォーゲル部出身で、山歩きとかキャンプには慣れてるからね。
そんなわけで、ここ「谷戸杜キャンプ場」には、これまでにも何回か来た事がある。家から比較的近い割には自然が豊かで、虫とか魚とかも多いしね。
「荷物を置いたら食堂に行ってお昼を食べよう。その後は少し休んで、近くの森を歩いてみようか」
「うん!」
ここには何度も来てるけど、毎回色んなものが見られて楽しいんだよね。ヤマドリの羽根とか拾った事もあるし、フクロウが未消化物を吐き出したペレットとか、タヌキの溜め糞とかも見た事がある。
ワクワクしながら食堂に向かうと……そこで意外な出会いをする事になった。
「こんにちは来住野さん。来住野さんもキャンプなんだ?」
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~Side 真凜~
夏休み最初の土曜日、あたしは両親といっしょに、県内の「谷戸杜キャンプ場」というところに来ている。
今年はゴールデンウィーク中に忍者屋敷まで遠出をしたから、夏休みの家族旅行は近場でって事になったのよね。それで、人出の少なそうなキャンプ場の、更に夏休みの初め頃を狙って来たわけだけど……そこで意外な再会をする事になった。
「こんにちは来住野さん。来住野さんもキャンプなんだ?」
――そこにいたのは優樹だった。
明日もこの時間に更新の予定です。




