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125話
翌日。
「で、どう? なんとなくわかった?」
昨日よりも明るく振る舞おう、とサミーは考えて店に来店した。なにか湿っぽい話になるのも申し訳ない。巻き込んでしまう形だし、と意気揚々としている。
その気遣いをさせてしまったことに若干の負い目を感じつつも、ベアトリスは淡々と自らの業務に集中する。
「どうでしょうか。先日もお伝えしましたが、奥様の気持ちは奥様しかわかりません」
だからここからは私の見解、と先に通達した。
「フローリストはみな、受け取った後、ささやかな幸せを感じていただけたら、と考えながら花を作ります」
そう述べ、これから作るアレンジメントの準備に取り掛かる。心は落ち着いている。お客様とフローリストは鏡のようなもの。自分が慌てていては、それが伝染してしまう。ゆえに、心穏やかに。そして素早く。




