前へ目次 次へ 33/69 1. プロローグ 視界を埋め尽くすのは絶対的な「赤」。 炎は自分以外の全てを燃やし尽くす。 その暴力的なまでの侵略はとどまるところを知らない。 既に周りは火の海となっており、逃げ道などどこにもなかった。 いや逃げる必要などない、炎は友人なのだ。 そっと目を閉じ、心の中で呟く。 これでよかったのだ、と。 自分は死ぬべきなんだ、と。 そう思うと少し気が楽になり、自然と口角が上がる。 そのまま母親に甘えるかのように、そっとその身を委ねた。