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230 逃避したくなるのが現実である

改訂版です。

ブックマークと評価よろしくお願いします。


 ヒューマン+ねえ。

 ルーリアは無自覚みたいで何も言わないけど同時にレベルアップもしてるから仕方ないのか。

 今後、エルダーヒューマンになる可能性もあるのだろうか?

 だとしても俺みたいに丸々1年も眠ることにならないことを願う。


 それとルーリアが進化したならリーシャたちにもその可能性があるだろう。

 問題はラミーナに上位種がいないことだ。

 【諸法の理】スキルによれば人間種で上位種が存在するのは魔力制御に優れているエルフとフェアリーのみらしい。


 進化したハイエルフとエルダーフェアリーは共に亜神に近い存在だという。

 だからこそ滅多に生まれてこないようだけど。

 そして更にレアなのが俺である。

 本来なら存在しない種族になっちゃったからね。

 そういう意味ではルーリアの中間形態みたいな上位種も新規種族だからレア中のレアだ。


 この上、リーシャたちまで同じように進化していたらと思うと頭の痛いところだ。

 が、皆を守るという意味でも見ないという選択肢はない。

 覚悟を決めて残り全員分を一気に表示させた。


[リーシャ/人間種・ラミーナ+/魔法戦士/女/17才/レベル123]

[レイナ /人間種・ラミーナ+/魔法戦士/女/17才/レベル123]

[アニス /人間種・ラミーナ+/魔法戦士/女/17才/レベル123]

[ダニエラ/人間種・ラミーナ+/魔法戦士/女/17才/レベル123]

[メリー /人間種・ラミーナ+/魔法戦士/女/15才/レベル122]

[リリー /人間種・ラミーナ+/魔法戦士/女/15才/レベル122]


 元のレベルに多少の開きがあったせいかレベルアップの伸び幅はノエルやルーリアよりもわずかに多い。

 なんにせよ確実に成長している訳だ。


 うん。現実逃避は止めよう。

 出ましたよ、ラミーナ+。


[ラミーナ+:新種族。──]


 のっけから大ダメージな説明だが現実逃避を続けても何も解決しないので意を決して続きを読む。


[ラミーナを超える存在。上位種ハイラミーナ未満]


 やっぱり更に上があるんだ。

 しかし、問題は次だった。


[過去にラミーナ+およびハイラミーナが存在したことはない]


 ヒューマン+の方にはそんな説明なかったが存在したことがあるってことか?

 よくよく考えてみると心当たりはある。

 ルーリアの御先祖様はレベル300近くまで到達したっていうからな。


 【諸法の理】で調べてみたら正解だった。

 もっともレベル100を超えたヒューマンなら進化する可能性があるようだ。

 それは御先祖様の生まれ変わりというルーリアが進化したことで証明されている。

 ちなみに何人か前例があって仙人になった人もいるとか。

 他所の世界へスカウトされていったとかでルベルスには残っていないようだけど。


 なんにせよレアな事象が発生したことで先程からとてつもなく嫌な予感がしている。

 最近は意識しないようにしていた俺の称号が気になってしょうがないのだ。

 これも確認しない訳にはいかないので見てみたら予想通り増えていた。


 しかも追加された称号は5個ときたもんだ。

 これでも増えないようにしてもらってるんですが?


 あきらめて増えた称号を確認していく。


[天龍を手懐けし者]


 上位の竜種であるシヅカを召喚した際のだから、これは仕方がない。


[妖精種の友]


 うちには妖精組がいるのに、このタイミングってどういうこと?

 解説を確認してみたら4種類以上の妖精種と仲良くなる必要があるのだとか。

 最初に出会った妖精種はケットシーとパピシーとアラックネだけだったから足りなかったんだな。

 残りの妖精種は2回ほど召喚したフェンリルだ。


 あいつも妖精種なんだよな。

 呼び出しに応じてくれた礼に俺の魔力入りかき氷をあげたら凄く喜んでくれていた。

 餌に釣られるというのは犬系だなと思うんだけど番犬にはなれなさそうだ。

 それ以前にアイツは温い環境だとバテて仕事にならない。

 遮断の首輪でも作れば通年で呼び出せるか。

 おもしろそうだから今度試してみよう。


[ものづくりの鬼]


 俺があまりにも色々作るからか。

 称号のついたタイミングから考えて輸送機が決め手になったようだ。

 自重しないと、こうなるのか……

 できれば鬼じゃなくて鉄人とかにしてもらいたかったが神様のシステム相手に要望が通るはずもない。


[千両役者]


 大根役者の間違いじゃないのか?

 シノビマスターの人形を操って大勢の前で1人2役をやってバレなかったからだそうだけど。

 神様のシステムにその程度で称号をつけてくれるなと問い詰めたいところだ。


[進化を促す者]


 やっぱりね。

 確信に近い形で予想はしてたんだけど改めて自分の目で確認してしまうと脱力感が半端ない。

 心の中の俺が四つん這いになってガックリと項垂れたさ。

 そして「責任者出てこい!」と声を大にして言いたい。

 それをするとベリルママが本当に出てきかねないんだけどさ。


 いや、言わなくても来そうな気がする。

 月影の皆に無茶させたからなぁ。

 自分の時に無茶して反省したはずなのに、この体たらくじゃあ叱られないと思う方がどうかしている。


 想定外だったというのは言い訳でしかないし今から絞られる覚悟だけはしておこう。

 ああ、メールで先に報告しておくか。

 【多重思考】スキルでよってたかって文面を考え推敲しメールを仕上げて送信ボタンをポチッとな。


 残る問題は今後の対応をどうするかだ。

 今回の一件で俺の側にいると眷属化に近いことが起きているんじゃなかろうかという考えが浮上してきたんだよな。

 ベリルママの血を魔法で処理して転生した俺ならではの現象と言えるだろう。

 ある意味、亜神より神様に近いと言える。


 結果的に進化しやすくなったのだとすれば迂闊な真似ができない訳で。

 欲深い連中が押し寄せて来かねないことを考えると、この事実は絶対に秘密にしておくべきだろう。


 これもベリルママに報告して相談案件にしておくのがベストかもしれん。

 うん、そうしておこう。



 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □



 合流は晩餐会場の扉の前で完了した。


「主よ、退屈であったぞ」


「そりゃスマン」


 シヅカの愚痴は半ば冗談半分だったので俺も流すように詫びておいた。


「奴隷の兵士は無力化して牢に放り込んでおいた」


「自分も指示通りに」


 ツバキとハリーが報告してくる。


「どういうことだ?」


 ハマーが怪訝な表情で聞いてくる。


「すべての奴隷が罪なき人という訳ではないってことだ」


 こういうのは鑑定系のスキルを持ち合わせていないツバキたちでは判断がつかんからな。


「そのような者たちがおるのか」


「逆に聞くが、悪党が悪事を働くのは善人に対してだけか?」


 悪党だけを選んで仕事をするような義賊はいるとしても、その反対のような輩はいないだろう。


「む?」


 俺の質問の意図が読み取れなかったらしい。


「悪党が獲物にするのは善人だけじゃないってことさ」


「ふむ、言われてみればそうか」


 腕を組んで考え込むハマー。


「でも、この国では手下になった者もいますよね」


 ハマーが静かになったと思ったらボルトが質問してきた。


「強い奴に尻尾を振ることを選んだからだろ」


 裏を返せば御しやすい連中ってことだ。


「あれ? ということは……」


「奴隷で犯罪者ってのは手に負えないような連中ばっかということだ」


 殺人狂なんかはその代表格だろうな。

 目の前のデカい扉の向こう側にも何人かそういうのがいる。


「という訳で、ここから先は俺一人で行く」


読んでくれてありがとう。

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