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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
98/1011

2-30 そうです

 そうです、と頷いたら、ご飯行かない、(おご)るから、と切り返されて、そのまま連れ出された先は、湖の(ほとり)にある、川魚料理おしちだった。


「そのツインテール、自分でやったの?」

「美容室の方にお願いしたのを、前日の夜に構造を覚えておいて、今朝、時間をかけてどうにかこうにか」


 塩焼きの川魚から刺さっている串を抜きつつ、二人でしている会話の内容は、私の懸念とは先ほどから遠い内容ばかりだった。

 転生者組合(リレイターズ・ギルド)第三支部から出て、それなりの距離を歩いたけれど、当たり障りがない、としか言いようがないことばかり、レインツリーさんは話しかけてくる。話すうちにすっかり打ち解けた気分になったのは、レインツリーさんの話術の力なのかも知れないし、あと、目線の高さが同じだから話しやすいというのもあるかも知れない。レインツリーさんは、エルフの中でも小柄な方なのだそうだ。


「美容室って、エリス?」

「そうですそうです」


 そうか。リードウィンドさんとお知り合いなのか。


「お知り合いですか?」

「うん。あの子が産まれた時から知ってる」


 ……この人、何歳なんだろうな。


「あたしの年齢のことを考えたね?」

「いやっ……」

「ヨリちゃん、分かりやすかったり分かりにくかったりだね」


 はは、とレインツリーさんが笑った。


「こっち来た時の年齢は十二歳」


 小学生じゃないですか。


「そうなのよね。小六ぐらいなんだけど。今よりももっとちっちゃかった」

「エルフさんって、ある程度まで、人族と同じように成長するんですか?」

「そーそー。だいたい、二十歳ぐらいまでは普通に。そのあとは、すごくゆっくり。だから、エルフ目線で見るとあたし、わりとおばちゃんなのよね」


 へー。


「ま、こういうことはそのうち、いくらでも話す機会があるだろうし。熱いうちに食べよう食べよう」


 ですね。


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