2-13 ありが
ありがとうございましたです、ともう一度頭を下げてから、私は部屋を出た。
グリーンリーフさんは、エリス美容室のお二人に、このあとのことについてのお話があるらしく、部屋に残った。スプリングフィールドさんは、私の真横にいる。
「お昼にしましょう。食堂に行きましょうか」
「了解です」
食券は余分に持ってきているから大丈夫。銅貨も、コールズさんからもらったのが三枚ある。
「お食事のあと、申し訳ないのですが、職員部屋の小会議室で身だしなみのお話をさせて頂いても、よろしいですか?」
「や、もう、それは全然、大丈夫です」
「恐れ入ります」
「いえいえ」
二人でそのまま、特に話すこともなく、横並びに並んで道なりに歩いていくうちに、食堂に続く通路に出た。
「混んでますかねー?」
「職員は時間をずらして昼食に出るようにしているので、席が空いていない、ということはないと思います」
なるほろ……あ、ほんとだ。先客は、むーん、十人ぐらいかな。はじめましての種族の人はいなさそう。というか、みんな、人間……じゃなかった、人族か。
人間は、他の種族も合わせた意味になるんだった。トーチライトさんに教わったばかりの新知識。こういうことも、頭の中にしっかり入れておかなければ。
「お先にどうぞ」
あ、すいません。
おばさんの前には、待ち人はいない。トレイを手にしたところで、おばさんと目が合った。
「どもです」
「いらっしゃい」
さて。昨日のお昼はカレーのセット。今日の朝は朝定食のAセット。転生二日目のお昼ご飯は。
「ラーメンのセットをお願いします」
「はいはい。ちょっと待っててね」
あ、お水。
と思ってコップにお水を入れている間に、おばさんがラーメンを持ってきてくれた。
早い。
「はい、ラーメンね。チャーハンはもう少し待っててね」
はいっす。
と言ったそばから。
「できたぞ。ほら」
おじさんがチャーハンを持ってきて、トレイに載せてくれた。
「髪、切ったのか」
へ?
「はい、さっき、美容師さんに切って頂きまして」
テールの位置を少し、低いところにしてもらった。結んでいるリボンは、クリムゾンカラー。
「似合ってるよ。良かったね」
おばさんがにこにこしながらそう言った。
ほっ!?
「えーと、あのー、いやー、はっはっは、ほっへっへ」
「私も、お似合いだと思います」
真後ろからスプリングフィールドさんの声が。おじさんも、なんとなくだけど頷いているように見える。
おー……、なんか、急に恥ずかしくなってきた。




