2-6 ぬー
ぬー。
・私たちがいるところは、中心大陸と呼ばれている
・中心大陸はその大部分を山が占める
・山は地竜さんたちが管理している
・中心大陸の西側の狭い範囲に、人間を始めとした色々な種族が生活している
・人間の国は五つ
・国は王制で、王都という大きな都市を中心とする都市国家
・城砦のようなものがあって、そこが街としての機能を備える場合もある
「駄目だ。情報量が多い」
あれこれ書き並べたメモパネルを眺めながら、頭の中を整理しようとしてみるけれども、トーチライトさんのお話は思っていたよりも中身が濃かった。
国の名前やその成立の背景、人間以外の種族の生活なんかも、お話の中には出てきたけれど。
でも、一番、重要そうなのは。
・鉄葉戦争
てつようせんそう。
・エルフとドワーフの間で起きた、数千年規模と言われている戦争のこと
今は、エルフさんとドワーフさんの仲は別に悪くない。この戦争が正式に終わったのが、転生者が現れ始めた頃。
「長い戦争があって、そのせいで世界全体が疲弊していて、そんな時に転生者が現れて、そして、魔物が現れた」
・魔物侵攻
で、これが起きた。世界はわりと、ひどいことになって、それを立て直すために頑張ったのが、転生者の先輩たちと、その人たちを信じて動いた、この世界の人たち。
この、魔物侵攻への共同作戦が発端になって、鉄葉戦争が終わった。
「むー」
やっぱり。
・転生者は、この世界を良い方向に向かわせるために現れた
こう、思ってしまうなぁ、こういうお話を聞いてしまうと。
「ふーむ」
にゅーむ。
「ほーむ」
るーむ?
「ぬむーーーーん」
あー、ザ・手持無沙汰、再び。
「……トーチライトさん、遅いな」
美容師さんの段取りをしに行くって言ってから、もう、二十分ぐらい経ってるけど。
なんか、あったのかな。




