1-66 装備品
装備品の、鑑定。
「とりあえず……あった、これか」
プラグイン管理ページを流し読みしていた時に目に入った、スクリプトプラグインというのも、すごく引っかかるけど。
まずは、装備鑑定プラグインから。
「オンにすると……どうなるんだろ」
ステータス情報の方を見ると……装備情報のところに書いてある銀のペンダントの横に、眼鏡っぽいアイコンが付いてる。
「このアイコンを押すと、どうなる……あ、出てきた」
┃[首]▼銀のペンダント
┃ |
┃ ├─区分─
┃ |
┃ |生来装備[首]
┃ |
┃ ├─付与─
┃ |
┃ |●魔力付与【不可知】99
┃ |●魔力付与【格納】1
┃ |
┃ ├─鑑定者─
┃ |
┃ |ヨリコ・ブロッサム
┃ |
「むーん?」
区分は……生来装備というのは、銀のペンダントが生来装備だ、ということなんだろうし、首、というのは、ぬーん、装備する場所のこと、だろうな、多分。
鑑定者には、私の名前が書いてあるけど。既に私は銀のペンダントを鑑定している、ということ? 今、こうやって装備鑑定プラグインで見たから、なのかな。
うぬぬ。
「付与は……なんだろう」
装備品に、くっついている特別な効果、ぐらいの意味……かな。
魔力付与とわざわざ書いてあるということは、他にも、なんとか付与があるとか?
「むにゅーーーん」
【不可知】は、まぁ、多分、誰からも気づかれないとか、そういうあれだと思うけど。目が覚める前に、そんな話を誰かとした記憶があるし、何より、自分で本当にそうなのかどうか、確認もした。間違いなく、銀のペンダントは、それ自体、人に気づかれることがない、という力を持っている。
で……【格納】ってなんだ。これのことは、説明を受けていないと思うんだけど。
それとも、私が忘れているだけなのか。
「横の数字は……技能階梯みたいなものなのかな……うーん」
どう理解するのが正しいのか。
「中身を見るのが一番、早いのかな」
まずは魔力付与【不可知】を長押し。
┃ |●魔力付与【不可知】99
┃ |本装備品は、受動的にその存在を
┃ |知覚、及び能動的にその存在を認
┃ |識されることがない。ただし、本
┃ |装備品の鑑定者については、この
┃ |効果より除外される。
┃ |本装備品は生来装備であるため、
┃ |生来の所有者は鑑定者として登録
┃ |される。
┃ |
「受動的にその存在を知覚」
ぼーっとしていた時に視界に入ったものを、あとで思い出すとか、そういうことがないという意味か? なんか、独特の言い回しだけど。
「能動的にその存在を認識」
自分の意志で、何かを見ようとする、ぐらいの意味かな。
私の胸を見て銀のペンダントに気づいてしまうのが受動的で、私の胸元に何かないか、探すのが能動的。
ま、何にせよ、どうやったって銀のペンダントには気づけません、ということなんだろうな。その、気づかれなさ加減が、横にある99という数字なんだろう。
うん、そう理解しておく。
鑑定者に私の名前が書いてあったのは、【不可知】にそういう効果があったからで、装備鑑定プラグインは関係なかった、と。ふむふむ。
「これって、この世界の誰も、銀のペンダントに気づけないってことか。魔法使っても駄目なのかな」
うーん。それはそれで……どうなんだろう。
「【格納】の方は……」
┃ |●魔力付与【格納】1
┃ |一辺の長さが5cmの立方体の内
┃ |側に収まる体積の無生物1つを、
┃ |本装備品の内部に保持することが
┃ |できる。魔力の結線により取り出
┃ |すことが可能。
┃ |保持されている間、対象物の時間
┃ |は停止した状態となる。
┃ |
┃ |> 格納 [ 1 / 1 ]
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