表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード1 転生~ステータス画面~戦い
34/1011

1-34 廊下を

 廊下を満たしている陽射しはまだ明るく、夕方、という時間のようでもない。

 夕食の時間まで、あと、一時間ほど、と言われたけど、何か、時間を区切るような予定があったりするのだろうか。


「あのー、質問です」

「はい?」


 私を先導して歩き始めたグリーンリーフさんが、立ち止まって振り返った。


「夕食まで、あと、一時間ほど、というのは、どういうことなんでしょうか」


 適宜、自分で食堂に行って晩ご飯を食べるのかと思ってたんですけど。

 グリーンリーフさんが、あ、しまった、という顔をした。


「支部長がお夕食に同席します。お夕食のお時間に合わせて、職員がブロッサムさんをお迎えに上がりますから」


 すいません、説明不足でした、とグリーンリーフさんが頭を下げた。

 おぅ。


「いえ、そんな、はい、大丈夫です。すぐ聞かなかった私も悪いですし」

「そう言って頂けると、助かります」


 なんだろう、お仕事に対する義務感が、ものすごく強い人なのかも知れないな、この人。

 こちらです、と改めて言われて、てくてく廊下を歩いていくと、広い空間に出た。

 うーむ、この建物って、わりと、天井、高め? 広い場所に出たからそう思うのかな。


「こちらが、転生者組合(リレイターズ・ギルド)第三支部の、受付になります」


 受付カウンターみたいなのがあって、そこには、私と同じような感じの服を着た女の人たちが、四人ほど……あ、スプリングフィールドさんがいた。

 目が合ったので頭を下げたら、下げ返された。


「あちらが、入口ですね」


 受付カウンターの真正面に、両開きのドアがあった。左右にスライドするタイプのやつで、入りやすいように、という配慮なのか、片方が半分ぐらい、開けられている。


「開いてますね」

「ご用の方に、お気兼ねなくお入り頂けるように、開けたままにしてあります」


 なるほど。


「どうぞ、こちらへ」


 受付カウンターには、端末宝珠(ターミナル・オーブ)が、四人の受付担当の人のところに置いてあった。スプリングフィールドさんも、あれ、使える人なのか。


「身分証の発行は、こちらで?」

「そうですね」


 前を行くグリーンリーフさんに尋ねたら、振り返って答えてくれた。

 そして再び、てくてくと。わりと歩くのな。


「この建物って、広いですよね?」

「元々あった建物に、新館、という形で増築した部分があるので、建物二つ分ぐらいの広さにはなりますね」


 ほーほー、と頷きつつ、さらにてくてく。


「もう少しです」


 そう言って、職員以外立ち入り禁止と書かれたドアの前で、グリーンリーフさんが立ち止まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ