表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード1 転生~ステータス画面~戦い
29/1011

1-29 あ、資料

 あ、資料らしきものを机の上に並べ始めた。

 名字を選んだ時のものと同じような紙に、手書きで説明が書いてあるものと、本。タイトルは、『転生者(リレイター)のための世界知識』とある。


「改めまして、ブロッサムさんの生活支援を担当致します、アレサ・グリーンリーフと申します。よろしくお願いします」


 あ、こちらこそ。ヨリコ・ブロッサムであります。


「はい。それでは、ブロッサムさんから見て、左側の、こちらの資料から、ご説明させて頂きますね。少し、長くなるかと思いますが、大丈夫ですか?」


 うぃ?


「何がでしょう?」

「おトイレとか」


 おぅ。


「今のところは、大丈夫だと思いますです」

「そうですか。ご遠慮なさらないでくださいね?」


 それはもちろん。


「はい。では、説明致します。まずは、ブロッサムさんが当面の間、住む場所についてなのですが」


 と、始まった説明は、本当に長い説明だった。再び、自ら要約。頭の中を整理せねば。


・住居は転生者組合(リレイターズ・ギルド)第三支部に併設されている宿舎の、女性用区画内にある個室

・宿舎は第三支部と渡り廊下でつながっており、宿舎から直接、外出するための出入口はない


 家具を入れたりするような、搬入口、みたいなところはあるらしいけど、そこは通常は施錠されている、とのこと。

 女性用区画は二階で、一階が男性用区画。部屋数はそれぞれ四部屋で、そのうちの二部屋ずつが、転生者(リレイター)支援のために特別に準備されている部屋。


・渡り廊下から入る宿舎入口の鍵と、個室の鍵が貸与される

・外出時は全ての鍵を、組合(ギルド)に一時的に返却しなければならない


 うーむ。これは。

 私を、というか、転生者(リレイター)を監視するための態勢のような気がしないでもないけど。

 出入りするためのドアが、二重になっているのに等しいし。いや、組合(ギルド)の入口から出入りしなければならない以上は、三重か。

 鍵の管理も、出入りそのものの管理、ということなんだろう。付き添いの人が、というコールズさんの話は、ここにもつながるのか。

 ……ぬーん。


「質問、良いですか」

「どうぞ」

「トイレはどこですか」


 ……むーん。


「宿舎の女子トイレは二階にありますが、転生者(リレイター)の方々向けのお部屋については、室内にトイレと浴室があります」


 いえ、そうではなく。


「はい?」

「トイレ、行きたいです」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ