3-25 バー
バードランドさんのお部屋は、イメージ通りの西洋のお城の一室という感じで、置かれている調度品も、パンがないならケーキを食えやでおなじみの王妃的な、華やかさがある。
このテーブルなんか、まさにそうだ。
淡い薔薇色の石を使って作られた長いテーブルを挟んで、私はバードランドさんと向かい合っていた。
「ごめんね、今、人手がないものだから。お茶しか出せないけど」
「いえ。お構いなく」
日本茶をずずっと。うん、落ち着く。
そして、気になったことを。
「人手がないんですか?」
「ええ。魔物警報が出た時から、ここで働いてくれているみんなに、実家に戻ってもらっててね。何人かには、残ってもらったんだけど」
なるほど。そういう、ご配慮が。
「配慮というか、こういう時は、家族のところにいた方が安心でしょ?」
「そうですね」
ということは。
「この、お屋敷、にお勤めの方々は、フェザーフォールご出身の方たちではないんですか」
「グレイルからの人が大半ね」
そう言って、バードランドさんが窓の外に視線を向けた。
雲のない空を、陽射しが満たしている。鳥が一羽、舞うように飛んでいた。
「今日は、魔物が出てくる日の、一週間前なんだけど」
「はい」
「討伐隊を送り出すための、パーティみたいなことをやってるの」
……ほぅ。
「どこかの、騎士さんのお宅でですか?」
「討伐隊に参加する国の、この街での代表的な立場の方のお屋敷が会場になってるね」
むーん。ぬ?
「バードランドさんは、行かなくてもいいんですか?」
グランスローン王国の、子爵夫人ですよね。
「私は、転生者だから、色々ね」
あ、そっち方向の。
「転生者絡みでいえば」
バードランドさんが、私の目を見た。
「多分、パーティが終わったあと、転生者組合第三支部の支部長に、代表者が挨拶に行くはず。その時に、あなたに面会を求める可能性があった」




