3-24 お、戻
お、戻ってきた。お子さんの手を引いてる。バードランドさんの娘さんか。
色とりどりの花の柄の着物の上に、ちゃんちゃんこを着てる。メイドさんに連れられて、こちらに。
「リネット、ご挨拶して」
リネットちゃんがバードランドさんを見上げ、私を見て、メイドさんを見た。
「お嬢さま」
目線を下げてリネットちゃんをメイドさんが促した。しばらくの間のもじもじタイムのあと。
「リネットです、こんにちは」
そう言って、ひょいっと頭を下げた。
「ヨリコです、こんにちは」
天使か。……ここまで完璧にかわいい生き物を、初めて見た。着物も似合ってるし。
「もしかして、寝てたのを起こしたんですか?」
よくできました、と娘の頭をぽんぽんしているバードランドさんに聞いたのは、なんかリネットちゃんが眠そうだったから、だけども。
「ちゃんと起きてたわよ。絵本を読んでたのよね?」
バードランドさんを見上げてから、頷いた。
「ちゃんちゃんこを着てるので、こう、起き抜けだったのかと」
起き抜けに着るイメージが、なんかちゃんちゃんこにはある。私だけか?
「なんだか、寒いらしくて」
「風邪を引いていたりしませんですか?」
「それはないんだけど」
ふーむ。
「リネットをお願いしていい?」
「分かりました。お嬢さま、お部屋に戻りましょう」
「はい」
あー、返事の仕方もかわいいな。
「私たちも、場所を変えましょうか」
ほい?
「私の部屋に行きましょう。話しておいた方がいいこともあるしね」
ふむ。




