3-20 私た
「私たちの前世の世界より、もう、なんか技術が進んでませんですか」
「進んでるね」
ほわー。
「あ、横揺れは少し、あるんですね」
「曲がったりするとね」
なるなる。
「今、入った道が、騎士さんたちのご自宅がある区画の入口ですか?」
「そ」
ふむ。
「ヨリコちゃん、この世界はもう、慣れた?」
「え?」
いやー。
「どうでしょう。なんとか、お仕事は決まった感じではありますが、まだ、先は分からないですし、知らないことだらけですよ」
そういえば。
「バードランドさんは、こちらの世界に慣れるまで、どれぐらいかかりました?」
「私は……最初は、自分のことをどうしても女だって思えなかったから、ひと月はかかったかなぁ」
ひと月ですか。
「自分のことを僕って言ってたし」
ほーむ。
「同い年の転生者がいたんだけど……シバとは会ってるわよね?」
「コールズさんですよね。転生者組合で、ものすごく、お世話になってますです」
「そっか。あいつ、そういえば副支部長だったね」
コールズさんが、どうかしましたですか?
「シバに、お前、変わったやつだなって言われてさ」
へー。
「そうか、自分は変わってるやつなんだって、思ってね。だったら、自分のことを僕って言ってもいいよねって、思ったんだ。そしたら、すごく楽になった」
あー、なんとなく、分かります。全部、ひとまず飲み込んでしまうというか。
「そうそう。だから、ヨリコちゃんも気楽にね。いろんなことに、いつのまにか慣れていってしまうから」
いつのまにか。そうですね。
「でも、今はご結婚されてるんですよね」
「なんかね、そういうふうになっちゃったね」
うーぬ。
結婚か。男の人と、結婚。
さすがにそれは、私には無理だ。
「娘がいるんだけど、もう、今年で五歳になるの」
ぬへ!? 娘さん!?




