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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード3 先輩~子供~祈る
189/1024

3-16 しかもダ

 しかもダブルぽろり。


「身体を伸ばすのも駄目か」


 エプロンを引っ張り上げて、顔を出していた胸を隠した。

 で。


「良く分からないのは、こっちだよなー」


 魔力鍵。

 園芸用品置き場の、隠し扉を開くための、鍵、ということは分かる。

 分からないのは。


「謎の文字の組み合わせの方」


 まぁいいや。展開してみよう。


「ほい」


  |●魔力付与【魔力鍵28akd03igKK2】1

  |魔力錠[28akd03igKK2]を、同錠の規

  |定条件に基づき、開放する。認証許可

  |対象数は、強度の数値に同値。

  |

  |許可対象:ヨリコ・ブロッサム

  |


「私の名前が書いてある」


 許可対象が私、ということは、このエプロンを他の人が着ていても、隠し扉は開かない、とか、そういう感じか。

 うん。こっちは何となく分かる。レインツリーさんが、そうしてくれたんだろう。

 もしかしたら別の人かも知れないけど、レインツリーさんのような気がする。


「で、あるけれども」


・[28akd03igKK2]とは何か


「……スクリプトプラグインのマニュアルに出てくる、識別票番号、というやつかな。もしかして」


 前世の世界風に言うと、識別IDとかそんなやつ。


・園芸用品置き場の奥にある隠し扉には、魔力錠というものが設定されている

・その識別票番号が、[28akd03igKK2]

・魔力鍵は、対応する識別票番号に対して、作用する


「同錠の規定条件に基づき、というのは」


・魔力錠[28akd03igKK2]に設定されている条件に従って、という意味


 だとすると。


「レインツリーさんが、魔力鍵が近づくと隠し扉が解放されるように、条件を設定した、ということか」


 隠し扉に設定されている魔力錠が、識別票番号を持っているのはいいとして、私の名前自体(・・・・)にも、識別票番号があるはずなんだよな。スクリプトプラグインのマニュアルに書いてある通りだとすると。


・個人名に結びついている識別票番号がなくても、なんか、設定する方法がある


 あるいは。


・レインツリーさんは、個人名に結びついている識別票番号を知る手段を持っている


 どっちか。

 なんとなく、前者のような気がする。けど。


「分からん」


 これ以上の考察は、私の手に余る。というか、既にはみ出してるし。

 我が暴れん坊シスターズのように。


「今度は左かよ」


 戻して、と。

 結論。


「細工師のエプロンとは」


習得技能(ラーニング・スキル)〈宝飾細工〉を少しだけ、覚えやすくしてくれる

・園芸用品置き場の奥にある隠し扉を、開いてくれる

・隠し扉の開放については、私専用


 というもの。


「うむ」


 便利。


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