3-7 それで
「それで、お友達になってもらえるかな?」
いや、そんな、上目遣いでお願いされましても。
まぁ、トーチライトさん、レインツリーさんという共通の、知っている人がいて、それにうちの師匠もバードランドさんに対して、特に拒絶反応みたいなものは見せてないし。
「はい、分かりました、と私が言ったとして、その、お友達という関係が、成立するのかどうかがですね、あのー」
こういうことだよな。
「うん、だからね。今度、うちに遊びに来ない?」
おぅ、なるほど。そういうことになっていくわけか。
「えーと」
「行け」
「分かりました」
師匠が行けと言ったので、即答で返す私。
「今は、転生者組合の宿舎にいるの?」
「そうです」
「じゃあ、迎えの馬車を出すから……明日は大丈夫かな」
バードランドさんが、師匠をちら見した。いや、明日は、駄目なのでは。
「問題ない」
へ?
「いいんですか?」
「行け」
「分かりました」
……ふーむ。
「明日の、九時頃に迎えに行っても平気?」
「はい、大丈夫です」
明日の九時。明日は、四月二〇日か。
あ、そうだ。
「私、お洋服はこういうのしか持ってないんですが、ドレスコード的なものとかがあったりとかは」
「ないない。普段着でいいよ」
よかった。
「こういう服装なのは、銅の板の再開祝いのご挨拶、という意味合いもあるからだし。これ、お土産」
手提げの紙袋。
「饅頭か」
「好きでしょ?」
師匠、無言。好きなんだろうな。
なんとなく、この人のことが分かってきた。
師匠が受け取ろうとしないので、バードランドさんが、はい、と言って、私に渡してきた。受け取っても……師匠をちら見。
良さそうだな。
「では、確かに」
という言い方でいいのかな。賄賂の受け渡しみたいになってる気がする。
「ジェンナさんは?」
「出かけた」
「そうなんだ」
バードランドさん、なんか残念そう。
「そろそろ帰るね。じゃあ、明日ね、ヨリコちゃん」
「はい。明日はよろしくお願いしますです」
ぺこり。
……なんか、ナチュラルに名前で呼ばれたな。




