3-5 師
「師匠、を呼んで参りますので、しばらくお待ちください」
咄嗟に出た言葉が、自分でもまさかの師匠だった。
まぁいいや。師匠師匠。あの人は、師匠。
「うん。待ってるね」
あれ。なんか、にこにこ笑われてる。
師匠呼びは、もしかして、師匠にとっての禁句だったりとか?
「あのー」
師匠。
と呼びかけるのは、心の中だけにしておこう。
「エリーゼ・バードランドさんという女性がお見えになっています。ご用件は、ご挨拶、とのことでした」
こつこつこんこんの世界用なのか、大量の金属の板を並べてじっと見つめていた師匠が、分かった、と言った。
いやまぁ、私とバードランドさんのやり取り、聞こえてただろうけども。カウンターからここまで、近いし。
「お前も来い」
「はい?」
さっさか歩いていく師匠に、とりあえずついていく。
ほへ?
「あ、リカルド・ルーペさん、こんにちは」
「薄気味悪いな」
「そういう言い方、相変わらずだね。なんか懐かしいよ」
「用は、挨拶か」
「そうよ」
「こいつにか」
「察しがいいね」
「私ですか?」
師匠が私の後ろに、一歩引く。
なんぞ?
「バードランド家は関係ないからね。これは、私の個人的な行動だと思って」
「はい」
バードランド家?
ぬぬぬ?
「エリーゼ・バードランドです。私も、あなたと同じ、転生者なの」
ほ?
「あなたになら分かる感覚だと思うけど」
私になら分かる?
「私も、前世は元男子」
なんと!




