3-2 身振り
身振り手振りをつけてお話される方だから、おしゃべりを聞いているのは楽しくはあるんだけど。
「それでね、」
「おい!」
ゴーズさん!
「お前、またヨリコちゃん捕まえて、いい加減にしろよ」
「あら。ごめんなさい。またやっちゃった」
「いえ。それは、全然、お気になさらず。まだ、分からないことも多いですし、色々なことを教えてくださるのは、本当にありがたいです」
これは心からそう思う。遠巻きに、何、あの子って目で見られるよりは、ずっといい。
「それでは、お掃除も終わりましたので、私はこれで失礼致しますです」
どもですー。あ、そうだった。
「ゴーズさん、おはようございますです」
朝のご挨拶はきちんとね。
「おぅ、おはよう」
あれ。なんか嬉しそう。
「では。ども」
へこへこ頭を下げつつ、お店の裏手に退場し、えーと、どこだっけ。
「あ、こっちだ」
裏手は勝手口以外にも、外付けの物置のドアが二つあるから、なんか迷う。
ドアを開けると、棒が真ん中に立っている、バケツのようなものが置いてある。レインツリーさん特製の、箒専用洗濯機、的なものらしい。
「……いったい、あの人はこれを作ってどうしたかったんだろう」
まぁ、助かるけど。屋外の土埃まみれの箒を、物置部屋の中に持ち込まずに済むし。
「えーと、箒をバケツに入れて」
棒に触って、結線。
・水が出てくる
・渦を巻く
・箒がきれいになる
・水が汚れごと消える
・箒が渦を巻く風で乾く
「……これ、とんでもない代物なんじゃないだろうか」
置いてあるだけのように見えるけど、外に持ち出せないように、絶対にこれ、動かないようになってるし。
「うーーーーん」
考えるのやめとこう。




