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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
157/1024

2-89 ドアを開

 ドアを開けると、おっさんが仁王立ちで待っていた。


「先生か。お前も、早く上がれ」


 それだけを言って、二階にとっととおっさんが上がっていく。


「上がろっか」

「ですね」


 レインツリーさんを先頭に、二階へ。


「ここの階段、短いスカート穿けないよねー」


 角度が急ですからねー。


「見えますね」

「そうそう」


 そもそも、穿きませんけど。


「こんばんはー、二人とも」


 おっさんはこちらに背を向けて、既に椅子に座っていた。少しだけ振り返って、ああ、とだけ言った。


「いらっしゃい、先生。リカルドの隣にどうぞ」

「ありがとー」

「ヨリコちゃんは、いつものところね」


 壁際の……レインツリーさんの正面か。


「何か、お手伝いすることはありませんですか?」

「大丈夫よ。座ってて」

「了解であります。では。失礼しますです」


 よっこいせ。

 テーブルの上には、お皿が幾つか。お野菜が多めのスープというか、シチューっぽいもの。パンが、色々な種類。丸いのとか、四角いのとか。


「はい、お待たせ」


 ハムっぽいものを分厚く切って、焼いたものを奥さんが運んできてくれた。置く場所を確保せねば、と思ってテーブルの上のスペースをあけようとしたら、おっさんが受け取って真ん中に置いた。


「じゃ、頂きましょうか。リカルド?」

「ああ。二人とも、やってくれ」


 ……おもむろにパンを手に取り、ちぎってシチューにつけて食べ始めたおっさん。

 やってくれって、食べてください、という意味なのかな。


「まぁ、お前は昔からそういう奴だよね」


 呆れた様子でレインツリーさんが、おっさんをお前呼ばわりして言った。


「じゃ、食べましょ。いただきます」

「いただきますです」

「はい、どうぞ」


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