2-89 ドアを開
ドアを開けると、おっさんが仁王立ちで待っていた。
「先生か。お前も、早く上がれ」
それだけを言って、二階にとっととおっさんが上がっていく。
「上がろっか」
「ですね」
レインツリーさんを先頭に、二階へ。
「ここの階段、短いスカート穿けないよねー」
角度が急ですからねー。
「見えますね」
「そうそう」
そもそも、穿きませんけど。
「こんばんはー、二人とも」
おっさんはこちらに背を向けて、既に椅子に座っていた。少しだけ振り返って、ああ、とだけ言った。
「いらっしゃい、先生。リカルドの隣にどうぞ」
「ありがとー」
「ヨリコちゃんは、いつものところね」
壁際の……レインツリーさんの正面か。
「何か、お手伝いすることはありませんですか?」
「大丈夫よ。座ってて」
「了解であります。では。失礼しますです」
よっこいせ。
テーブルの上には、お皿が幾つか。お野菜が多めのスープというか、シチューっぽいもの。パンが、色々な種類。丸いのとか、四角いのとか。
「はい、お待たせ」
ハムっぽいものを分厚く切って、焼いたものを奥さんが運んできてくれた。置く場所を確保せねば、と思ってテーブルの上のスペースをあけようとしたら、おっさんが受け取って真ん中に置いた。
「じゃ、頂きましょうか。リカルド?」
「ああ。二人とも、やってくれ」
……おもむろにパンを手に取り、ちぎってシチューにつけて食べ始めたおっさん。
やってくれって、食べてください、という意味なのかな。
「まぁ、お前は昔からそういう奴だよね」
呆れた様子でレインツリーさんが、おっさんをお前呼ばわりして言った。
「じゃ、食べましょ。いただきます」
「いただきますです」
「はい、どうぞ」




