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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード1 転生~ステータス画面~戦い
15/1011

1-15 準備ができたので

「準備ができたので、端末宝珠(ターミナル・オーブ)に触れてもらっていいかしら」

「この、水晶のところを触るんですよね?」

「そうです」

「では、失礼して」


 ほい。あ、ほんのり温かい。


「おー、出てきた」


 触れたのと同時に、水晶球が光るとか、そういう予備動作もなしに現れた、半透明の板状のもの。ステータス情報、とコールズさんもトーチライトさんも呼んでいたやつ。

 そのステータス情報は、私と向かい合うように出てきたので、お隣にいるトーチライトさんからは見えていないご様子。まぁ、普通に、名前、年齢、性別、レベル、生年月日があって、技能(スキル)欄と装備(ガジェット)欄というのが、切り分けてさらに書いてある。

 ほーほー。

 うん。さっき、ここで〈ステータス画面〉を使ってちら見したのと、だいたい同じ。

 レベルに、生年月日ね。色々、聞きたいことが出てきた。


「見せてもらうわね」

「どーぞどーぞ」


 トーチライトさんが端末宝珠(ターミナル・オーブ)の水晶のところを撫でるようにすると、ステータス情報がくるっと回って向きを変えた。

 へー、そんなこともできるのか。

 で、そのまま、私のステータス情報に見入って、なんだか黙り込んでしまった。

 おぅ、またですか。


「ごめんなさい、コールズくん……副支部長に見せてもいいかしら?」


 にゅ?


「はい。どーぞどーぞどーぞ」


 コールズさんがやって来て、私のステータス情報を見つめたまま、トーチライトさんと同じように黙り込んだ。

 えー。もう、ちょっと、なんすか。


「お前……ブロッサム」


 あ、名字で呼んでくれた。


「はいはい」

技能点(スキル・ポイント)の使い方とか……いや、知らないよな」

「そもそも、彼女に技能点(スキル・ポイント)を使う時間はなかったでしょう? 私もあなたも見ていたわけだから」

「……そうですね。それに、レベルも1か」


 技能点(スキル・ポイント)

 あ、またなんか、ゲームっぽい。

 それと、彼女、と言われるの、なんか、むずむずする。


「この、あなたのステータス情報の、技能(スキル)欄のところね。〈ステータス画面〉というのが、あなたの固有技能(ギフト・スキル)の名称で、併記してある数字のことを、技能階梯(スキル・ランク)というの」


 技能階梯(スキル・ランク)技能(スキル)の、強さ的なことですか。


「そうね。どれだけ、その技能(スキル)に習熟しているかを表す指標のことなんだけど」


 ほーほー。ゲームとかによくあるやつ。


「……100という数字はね。普通じゃないの」


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