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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード1 転生~ステータス画面~戦い
14/1011

1-14 そして、ジャブラジャーラ

 そして、ジャブラジャーラへの突っ込みはなしですか。

 もしかして、この世界では正式名称がジャブラジャーラだったりとかは。

 それを偶然、言い当ててしまった私?


「違います。コールズくんは男性で、あなたは女性なんだから。少しは、考えなさい」


 なんとなく、トーチライトさんが先生口調になっている気がします。

 ジャブラジャーラの、肩紐、というのか。それを元に戻すまで待たれているように感じたので、そのようにした。

 なんか、色々とずれた気がするけど、気にしないでおく。


「ともかく、ここからは私の担当ね。確認だけど、名字はブロッサムでいいのね?」

「はい。問題ありませんです」

「分かりました」


 トーチライトさんが立ち上がった。


端末宝珠(ターミナル・オーブ)を使うから、こちらに来てくれる?」

「了解であります」


 机の前に立っているトーチライトさんのそばに近づくと、端末宝珠(ターミナル・オーブ)と先ほどから呼ばれている、水晶球の真正面を譲られた。

 水晶球は透明で、地球儀みたいな雰囲気の台の上に乗っている。大きさは、野球のボールぐらいか。


「魔法で動く道具なんですよね?」

「そうね。そういう理解の仕方をして頂いて、問題ありません」


 あー、やっぱり、魔法はあるんですねー。

 呪文を唱えて、火の玉が出てどーん、みたいな。


「それは、魔導ね。魔法を学術的に体系化したものが、魔導。説明し始めたら長くなるから、先に身分証を作ってしまいましょう」


 魔導。ほへー。

 でも、まずは身分証。


「了解でありますです」


 敬礼した私を見て、それでは始めます、とトーチライトさんが言った。

 何かをしているんだろうけれど、それは私には分からない。呪文を唱えるとか、そういうのでもなく、端末宝珠(ターミナル・オーブ)の内側に現れた光が、ゆっくりと渦を巻きながら水晶球の全体に広がっていった。


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