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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
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2-67 ふよふよ

 ふよふよ浮いている水の球体にレインツリーさんが手を差し入れると、球体の内側で水が緩く渦を巻き始めた。


「全自動手洗い。すごくない? これ」

「……まぁ。そっすね」


 才能の無駄遣い的な。


「ほらほら、ヨリちゃんも」

「では」


 ほい。


「おー、手が洗われていく!」


 気持ちいいですね、これ。


「でしょ? そのまま、手を抜いたら消えるからね」


 レインツリーさんの手を洗っていた水の球体さんが、細かな泡を立てながら消えていく。


「不思議なもんですね。光る霧みたいです」


 連れ歩いてきた光の球体が照らし出す、私の手を洗ってくれていた水の球体さんも同じように消えていく様子をじっと見ながら、思わず、そんなことを言ってしまった。


「ヨリちゃん、文学的なこと言うね」

「え」


 そっすか?

 ハンカチで手をふきふきしつつ、私は首を(かし)げた。


「うん。さて。手を洗ったら、このパンに、これをだね……」


 タッパー的なものの中には、ドレッシングか何かで和えられ済みのサラダが、たくさん入っていた。サラダの色合いは緑が多めだけれど、パプリカっぽい、赤や黄色のものも混ざっている。


「挟んで」


 お箸で器用にパンの準備をしていたレインツリーさんが、その水筒、取ってくれる、と言った。


「どぞ」

「うむ」


 陶器でできたコップの中に水筒から注がれたのは、緑色のポタージュスープだった。


「まだ熱いからね。で、このパンを、スープにつけて、食べる」


 レインツリーさんに手渡されたパンは、わざわざ、紙の袋の上から持てるようにしてあった。

 なんか、すいません。


「いいからいいから。ささ。食べてみて。おばちゃんの手作りだから」


 おばちゃんって。

 レインツリーさん、十代にも見える二十代半ばの人、という感じなんだけど。

 まぁ、いいか。


「いただきますです」


 まずはスープにつけて……おぅ!?


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