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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
132/1024

2-64 今すぐ

「今すぐ、準備してきますので」


 鍵、ハンカチ、身分証。

 全部、エプロンのポケットに入るから、バッグはいらない。

 よし。


「準備できましたです」


 戸締り戸締り。


「はい、オッケーです」

「うん。あ、明かり出しとくね」


 少しだけ目を閉じて、何かに頷くような仕草をレインツリーさんがした瞬間、蛍ように緩やかに飛ぶ小さな光が、幾つも現れた。レインツリーさんが差し出した両手の手のひらの中に、渦を巻きながら集まっていく。とても、きれいな光景だった。

 集まった光を、優しく宙に向かって押し出すようにして放つ。

 暗くなり始めた宿舎の廊下にわだかまる薄闇を溶かしながら、光は静かに輝く球体となって、私とレインツリーさんの足元に収まった。


「……おぅ」


 うーぬ。トーチライトさんは、呪文を唱えていたような気がするけど、レインツリーさんはいわゆる、無詠唱、というやつか。


「どしたの?」

「いえ、呪文とか、唱えないんだなぁ、と思いまして」

「んー、慣れればできるよ。あとほら、あたし、叡智の魔女だし?」


 得意げな顔してる。

 ははは。


「それじゃー、行こうか。ちょっと、階段(のぼ)ったり()りたりだから、時間かかるけど」

「複雑ですよね、この建物」


 宿舎と転生者組合(リレイターズ・ギルド)第三支部をつなぐ渡り廊下を並んで歩いていくと、光の球が少しだけ遅れてついてくる。


「入り組んでるからねー、ここ。外に出て飛行の呪文か何かで飛んでった方が早いかな」

「やめましょう。我々はスカートです。丸見えます」

「そうか。そだね」


 納得してくれたようで、良かったです。


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