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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
125/1024

2-57 両手

 両手を胸の前でふりふりして、大丈夫ですアピールを思わずしてしまった。

 おへー、ターナーさんがしゅんとしてる……。

 んーむ、ここは何か、別の話題に切り替えて――そうだ!


「あの! ですね!」


 元気爆発アピールをしつつ!

 ターナーさんがびっくりした顔で、私を見た。


「二階の壁に飾ってある、髪留め、あるじゃないですか」

「二階の壁……ああ、あれね」

「素敵ですよね! シルヴァラ・レインツリーさんという方から伺ったんですけど、あのー……」


 作った人のお名前、なんだっけかな。

 ぬーん、むーん。


「あの髪留めは、リカルド・ルーペという宝飾師が作ったものなの」


 あ、そうです、ルーペさんでした。


「もう、店じまいをしてしまっているから、新しい作品を見られないのが、なんだか、悲しくて飾ってるんだけど……そう、ブロッサムさん、レインツリー先生とお知り合いなのね」


 レインツリーさんは、先生って呼ばれてるのか。


「お知り合いと言いますか……この世界のことを色々と教えて頂きまして」

「まぁ、そうなの」


 良かった、とターナーさんが言った。


「気に入ってくれたんなら、飾って良かった。でもどうして、あの髪留めに興味を持ったの?」

「名字を決める時にですね、候補の一覧を見たんですけど、なかなか、これ、というのを思いつかなくて。気分転換でも、と思って、外の景色を見たんです」


 ターナーさんが穏やかに頷いて、空になっていたお湯呑みに、お茶を注ぎ足してくれた。


「そうしたら、目の前には湖が広がっていて、馬車道に沿って桜が植えられていて、なんだか、きれいだなって思って、懐かしくなって」


 で、ぴきーん、ときまして。


「桜。お花。あ、私の名字はブロッサムだ、と」

「そうなの」


 疑問形ではなく、優しい言い方の肯定的な、そうなの、がターナーさんから返ってきた。


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