2-56 そうで
そうですね、とは言いづらいけど。かといって、他の言葉も思いつかないし。
でも、前向きに物事を考えるのはいいことだと思うから、私は頷き返すだけにしておいて、お弁当箱を開けた。
・おにぎり二個
・卵焼き二つ
・ミートボール四個
「ほわー」
「あら、素敵なお弁当」
お箸もちゃんとつけてくれていた。お弁当箱の横に、お箸の収納スペースがある。
ターナーさんのお弁当はサンドイッチの詰め合わせで、お野菜多め。
いただきますをして、お箸でおにぎりを割ってみたら、一つは梅干しで、もう一つは焼いた鮭っぽい魚の切り身がほぐして入れてあった。
ザ・古き良き日本のお弁当、という感じ。
さて、何から食べようかな。
「グリーンリーフさんから伺ったんだけど、昨日まで、食堂でお仕事をしていたんですってね」
「はい。そうです」
「リバーサイドさんたちは、お元気?」
「お元気ですよ」
リバーサイドさんというのは、料理長と奥さんの名字だったはず。確か、レナード・リバーサイドさんと、カレン・リバーサイドさん。
「お知り合いなんですか?」
卵焼きを切り崩して、一口食べてみた。甘めの味付けでおいしい。
「ええ。このお店を主人と二人で立ち上げる時にね。戦闘職組合の方々に、護衛のお仕事で何度も助けて頂いて」
「リバーサイドさんご夫妻は、戦闘職組合にご在籍していた時期がおありだったそうで」
「そうそう。カレンは、あ、昔からのお付き合いだから、本当は名前で私たち、呼び合ってるんだけど」
ほへー。
「それで、カレンは転生者でしょう?」
「はい、伺いました」
脅威の固有技能、七つ持ち。
「ブロッサムさんも、戦闘職組合でのお仕事を考えてるの?」
「いや。えーと」
……やっぱり、転生者は、先住者の人たちからすると、戦う人、というイメージなのか。
「私の固有技能は、そのー、戦いには向いていないと言いますか、戦いには使えないといいますか」
なんとなく、しょんぼりしてしまった私に、ターナーさんが慌てた様子で、違うの違うの、と言った。
「あなたのことを詮索するつもりじゃないの、あの、お友達がそうだったから、あなたもそうなのかなって、あの、それだけだから。ごめんなさい」
「いえ、そんな、大丈夫ですから」




