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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
120/1024

2-52 本

「本日より二日間、お世話になります、ヨリコ・ブロッサムです。えー、短い間ですが、よろしくお願い致します」


 短い間ですが、は、いらなかったかな。こういう時の挨拶をどうしたらいいのか、良く分からん。まぁ、拍手が返ってきたので、良しとしよう。


「はい、よろしくお願いしますね」


 私の隣に立っている、生活雑貨はなごろものオーナーさんの奥さんが、拍手の手を止めて私にそう言った。

 私の前には、人族の女の人が二人。奥さんも合わせると三人。あ、グリーンリーフさんが少し離れたところにいるから四人か。


「ブレンダ・ターナーです、よろしくね」

「よろしくお願いしますです」


 おぅ、フレンドリーな雰囲気の人。ターナーさんはオーナーさんご夫妻の名字だから、娘さんかな。

 長めの髪を後ろにくるっとしてまとめてる。


「ローラ・ベリーウッドです。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いしますです」


 ベリーウッドさん。こちらは一つに束ねた三つ編み。なんか最近、女の人の髪型が気になる。


「ブレンダは私の娘で、ローラは私の姪なの」

「あ、娘さんと姪御(めいご)さんなんですか」


 家族経営なのかな。


「それでは、よろしいですか? ターナーさん、書類のご確認をお願いしたいのですが」


 お、グリーンリーフさん。


「はい、それでは、あちらのお部屋へ」

「分かりました。それから、ブロッサムさん」


 はい? なんでしょう?


「午後五時にお迎えに上がります。私は一度、戻りますので」

「了解であります」


 思わず、敬礼してしまった。癖になりかけてる。

 そして、んーむ、心の中では名前で呼ぶことにするか。ターナーさんは二人いるし。で、ブレンダさんとローラさんに、笑われてしまった。


「じゃあ、私たちは、二階に行きましょうか。そうだ、その前に、ローラ、ブロッサムさんのエプロンは?」

「ここにあるよ」


 お会計をする場所のテーブルの上に、折り畳まれて置かれているエプロンがあった。


「申し訳ないんですけど、エプロンをこれに変えてくれますか?」

「うちのお店の店員は、みんな、同じエプロンをすることにしてるの」


 あー、なるほどです。

 制服みたいなものかな。それで、奥さんもブレンダさんもローラさんも、花柄エプロンを装備してたのか。


「お借りしますね。えーと、少し、お待ちください」


 財布と時計を取り出して、花柄エプロンのポケットに移しつつ。

 エプロンチェンジ……完了!


「そちらのエプロンは、お預かりしておきます」


 ローラさんが私の白いエプロンを丁寧に畳んで、お店の奥の方へと歩いて行った。グリーンリーフさんと奥さんが行った、あちらの部屋、が、あの奥にあるんだろう。


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