2-49 へー
「へー、よっこいせ」
ベッドに座って足を思いっきり伸ばしてみたら、随分と身体のあちこちが強張っていることに気づいた。
自分で思っていたよりも、私は食堂での就業訓練中、ずっと緊張していたらしい。
「お風呂、入らないとだなー」
でも、少しの間だけ、ぼーっとしていたい。
「今日は……何があったっけ」
食堂のお手伝いをして、転生者組合の職員さんたちと、少し、お話したりして。あー、そうだ、奥さんは転生者で、固有技能を七つ持ってるって。
「七つはさすがにびっくりしたなー」
あとは……料理長と奥さんは元々、戦闘職組合所属の戦闘職さん。こっちもびっくりした。
「コールズさんも、最初の勤め先は食堂で、そのあとに戦闘職組合に移ったって言ってたっけ」
戦闘職。害獣駆除、魔物討伐が主なお仕事の人たち。
私の固有技能で、どうにかなるようなお仕事ではなさそう。
「私、何をして生きていけばいいのかなぁ……」
結婚。家庭に入る。
「……無理」
元男子ですし。いちおう。男の人と、あれやこれや、ということになるのはさすがに。
「悔いのない選択か」
奥さんに言われた言葉が、なんか胸の奥に残ってる。失敗した、と思ったら、元の道を戻って別の道に行けばいい、だっけ。
むーん。でも。
「この世界に、甘えすぎるのは良くないな」
自立せねば。今はまだ、無理だけど。少しずつ、前へ。
「今の私に、何ができるのか、よりも、何をしたいのか、なのかな」
……分からん。
「お風呂入る前に、〈ステータス画面〉の勉強をしておくか」




