2-45 熱
熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱!
「おま……ち、どうさまでした!」
……熱かった。
「大丈夫か?」
「問題ナッシングでありますですよ」
「無理はするなよ」
ほんと、大丈夫ですから。
「はい、チャーハンね」
おぅあ、すいません、運ぶのは私の仕事なのに。
「気にしないで。手、大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
いかん。ただ、物を運ぶだけだというのに。
「まぁ、初日だ。それにこっち来てから五日だろう。先は長いんだ。あせるなよ?」
トレイにラーメンとチャーハンのセットを乗せたコールズさんが、テーブルの方へと向かいながら、私をちら見してそう言った。
あせるな、か。
そうだな。うん。無理しないようにしなければ。無理をして人に迷惑をかけてしまったら、どうしようもない。
「ブロッサムちゃん、私たちもお昼にしようか」
食堂の中にいるお客さんは、コールズさん一人。時間的にも、お客さんは途切れた、ということなのだろう。
「あ、はい。えーと、食券を……」
お財布は、エプロンのポケットの中。
「いらねぇよ。ほら、いいからこっち来い。好きなものを食っていいぞ」
いやー、それはさすがに。
「遠慮する暇があるなら、早く決めろ」
えーと、ぬーん、むーん。
「オムライスをお願いします」
「オムライスだな」
「カレーかけてもおいしいよねぇ」
それは……素敵なアイディアですね。
「よし。オムカレーだな。座って待ってろ。おい、皿!」
「はいはい。じゃあ、そのへんに座って待っててね」
まさかのメニューにないやつ。
私に何か、できることは……なさそう。
「ぬーん」
なんか、お手伝いさせて頂いてはいるけど、私、お客さんのままだな……。




