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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
112/1024

2-44 まず、

「まず、小さな火をつける。ブロッサムちゃんに分かりやすく言うと、マッチみたいなもの」


 あー、マッチ。


「それから、コップ一杯分ぐらいの液体を、きれいなお水に変える」


 おー、飲み水に困らなさそうです。


「染みを抜く。大きいのは駄目だけどね」


 染み抜き。


「百文字分の文章を、紙から紙にコピーする」


 コピー。


「指先でなぞっただけで、書いてある文章を読める。少しだけだけどね」


 おー。


「すごく近くにあるものを、自分の手の方に引き寄せる」


 ほへー。


「で、最後が、自分の声を、一人だけに届ける」


 なるほどー。


「おい、ブロッサムが困ってるだろうが」


 いや、そんなことないっす。


「おばちゃん、自分の固有技能(ギフト・スキル)のことを話した時に、相手が困るの、好きなのよね」


 ははは。いえ、ほんとに、困ってとかないっす。

 普通に、どれも便利そうだと思うんですけれども。


「そぅお? あら、お客さん。いらっしゃい」

「よし、ブロッサム、持ち場につけ」

「了解でありますです」


 三角巾を装備してって、コールズさんじゃないですか。


「元気そうだな」

「どうもです。あ、いらっしゃいませ」

「いつものね?」

「お願いします」


 えーと、ラーメンの器は……よし。どぞ。


「チャーハン皿も頼む。同じ棚の下にある」


 はい、えーと、あった。


「どぞ」

「よし。覚えが早いな」


 いえ、そんな。


「出来上がり、もってけ」

「熱いから気をつけてね」


 大丈夫で――おへっ。


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