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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
111/1024

2-43 え。

「え。転生者(リレイター)の方だったんですか?」


 そうだよ、と、にこにこ顔で頷いた食堂のおばさん改め、奥さんを、私は思わず二度見した。

 今日は、転生五日目。昨日までで、この世界の基本的なことの学習はひとまずおしまいになり、今日から就業訓練、というやつを受けることになった。

 訓練初日は、食堂の裏方仕事。返ってきたお皿を洗ったり、料理長にお皿を用意したり、テーブルを拭きに行ったりとかそういうので、今は魔物(キメラ)警報が発令中ということもあってか、転生者組合(リレイターズ・ギルド)の職員さんの出足はまばらだから、それほど忙しくもない。

 朝の片づけがひと段落したので、ツインテールをやめてひとまとめにしていた頭から、三角巾を外しつつ、こちらの世界も三角巾なんですねー、と何気なく言ってみたら、日本が懐かしくなるわよねぇ、という言葉に続き、そうそう、おばちゃん、転生者(リレイター)だからね、という、奥さんからの衝撃の告白があった。


「役に立たん固有技能(ギフト・スキル)ばかりだがな」

「言い返せないのが悔しいねぇ」


 おじさん改め、料理長が、私と奥さんが一息ついて座っている食堂の隅にやってきて、仁王立ちした。


「役に立たないって……ん?」


 ばかり?


「おばちゃん、固有技能(ギフト・スキル)、七つ持ってるの」


 な?


「えーと、七つ?」


 聞き間違いでは。


「そう、七つ」

「どうでもいいもんばっかりな」


 七つ。


「ここでの仕事では、役に立ってるじゃないの」

「まぁな」


 七つ……ちょっと、衝撃的な数字過ぎて、頭が回らないです。


「あのー、差し支えなければ、なのですが、その、どういうものなんでしょうか」


 奥さんがお持ちの、固有技能(ギフト・スキル)って。


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