9-128 エルフ限定 //
エルフ限定。
そういえば。
「あのー、ちょっと、話がそれるんですけど」
「どしたの」
「徽章の件なんですが」
徽章は、同族の証みたいな。
「私、エルフさんたちやドワーフさんたちと同等の扱いを受ける、みたいなお話を聞いたんですけれども」
「そだよ」
えー。
「言ってなかったっけ」
「聞いてませんです」
「まー、いいじゃん。朝露の森と、夕霧の森と、蒼茫の森のエルフと同じ扱いを受けて、銀山街のドワーフとも同じ扱いが受けられる人族なんて、なかなかいないよ? すごくレアだよ」
なぜににこにこなのか。
「これで、ヨリちゃんには簡単には手出しできないことが、よくわかっただろうしね」
さらににこにこしてる。
「次からは、そういうことは教えていただきたく」
「そしたらヨリちゃん、ぐるぐるに絶対なるじゃん」
「それは」
そうですけど。
「シーカーさんとテイラーさん、引いてましたよ」
「もし、世の中がヨリちゃんに関して、慄くことがあるとすればだね」
慄くって。
「リカルドの弟子、という部分だからね」
……おぅ。
「ネタとかではなく?」
「かわいいもんだよ、エルフとドワーフの徽章なんて」
……そんな扱いなのか。うちの師匠。
いや。
・スカイロード家の元跡取り
・息子さんは、次の王様候補
「……確かに」
「だって、公爵家の跡取りが、大商人の娘の天才少女と駆け落ちしたんだよ? 大騒ぎになったんだから。当時」
何してんだ、あの人たち。
「面白かったなー」
この人は。
「今回の件は、面白くはないけどね」
うーむ。
「ま、船に乗って、色々と話そう。ヨリちゃんと情報共有したいこともあるから」
情報。
共有?




