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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
100/1011

2-32 そんな若

「そんな若いヨリちゃんに、おばちゃんから質問です」


 私がお味噌汁のお椀をテーブルの上に置いたのを見計らって、レインツリーさんがそう言った。


「ヨリちゃん、自分の固有技能(ギフト・スキル)、嫌い?」


 ……むぅ。


「いえ、まぁ、なんというか、これ、どうしたらいいんだろうなー、というのはありますけど。まだ、良く分かってないですし」


 お茶を一口。


「でも、嫌い、というのはないです。自分の一部なので、責任を持たないといけないですし」


 うん。変なことは言ってない。


「そっか。それなりにもう、考え込んだんだね?」

「そうですね」


 嘘をついてもしょうがないし、多分、転生者(リレイター)は、みんな、通る道なのだろう。


「コールズさんは、いつか、自分がこの世界の敵になるんじゃないか、とか、そんなことを考えたっておっしゃってました」

「あー、シバのあれは、そういうことを思うやつだよね。どういう固有技能(ギフト・スキル)かは、聞いた?」

「〈魔印解放〉、でしたよね」

「うん。最初の転生者(リレイター)が現れてから色々な固有技能(ギフト・スキル)が世に出てきたけど、ちょっと、特殊な感じだったね。あいつのは」


 ふむ。


「何か、傾向みたいなものとか、あるんですかね? 時代に応じて、と言いますか」

「うーん、そうねー」


 少し、考えたあと、


「こう、対象が狭くなってる、ような気はする。あたしは、こっち来てから二百年ぐらい経つんだけど」


 二百年。


「ん? うん。二百年。その二百年の間にいろんな転生者(リレイター)に会ったけど、範囲が広い固有技能(ギフト・スキル)が多かったって、言い方は分かりにくいか」


 あ、お茶飲んだ。


「あたしの固有技能(ギフト・スキル)は、〈白き魔導書〉っていうんだけどね」


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