1-10 考えても答えが
考えても答えが分からない場合は、聞くしかない。
「私の固有技能に、何か問題がありますでしょうか」
コールズさんとトーチライトさんがお互いを横目でちら見したあと、なんとなく譲り合うような雰囲気があってから、コールズさんが、いや、あのな、と言った。
「ステータス、だよな」
「そうですね」
「ゲームとかにあるような、ステータス、だ」
能力値とか、技能とかね。どっちもちゃんと表示されてましたよ?
「ああ。そうだな。そしてそれは普通に考えたら、有り得ないことだ。ここはゲームの世界ではないし、例えば、俺たちの前世の世界で自分のステータスが表示されたりしたら、こう、なんだ、驚くよな」
うぃ? まぁ、そうですね。そんなのが出せちゃうのが私の固有技能ですけれども。
「……そうだな」
むーん?
「支部長、お願いします」
「そうね」
トーチライトさんが立ち上がって、支部長、と書かれたプレートがはめ込んである机の前に行った。机の上には水晶球が置いてある。
「これは、端末宝珠と言います」
トーチライトさんが端末宝珠に手をかざすと、その表面に緩く渦巻く光が浮かび上がってきた。
「おー、魔法ですね! すごいですね!」
これが、魔法……って、なぜ、そこで苦笑いですか二人とも。
「コールズくん」
「分かりました」
トーチライトさんに頷いて見せたコールズさんが立ち上がり、端末宝珠に触れると。
「……おぅ」
その上に、さっき私が出したステータス画面と同じようなものが現れたのだった。




