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第14話 早く出発をしたいのですが(25)
堕天使のメンバーの一人が異次元ポケットへと向けて指をさすから、僕を含めたメンバー達が視線を変えると──亜空間のトンネルからアメリカンローダウンのトラック達……。
シボレーのC1500 454トラックを先頭にシボレーエルカミーノの4代目と5代目が現れるから。
「マジで大きなアメ車のトラック……」
「あれ、壊れたりせん、のんや?」
安田君や藤原さんが僕に尋ねてきたから。
「壊れんよ。みんな綺麗に新品みたいに直しているから大丈夫。心配なけぇ」と。
僕がケラケラ笑いながら先輩達に言葉を返せば。
「新品?」
「新品部品って日本で手に入る、んか?」
「さぁ、知らん?」
「どう言うことや?」
僕の地元の先輩達は仲良く首を傾げるけれど。
僕自身は今先輩達に種明かしをしても面白くないから無視して放置すれば。




