第5話 姫様は妹が出来て嬉しそうなのだが(1)
「パパ?」
「……ん? 何だ、洋子?」
僕が安田君達先輩連中や同級生、後輩達……。そして安易に異世界移住計画を画策したレビィア達の提案を誤魔化すために沙也加と魔力を持つ小さな姫さまへと視線を変え。
『さて、どうしたものか?』と思案……。まあ、すれば、僕の顏は自然と険しい物へと変わるから。
この場にいるみんなは異世界移住計画……。まあ、令和の世で流行っている異世界スローライフの話題はしない。僕にも尋ねてはこないけれど。
僕にはもう既に沢山の奥さんもいるし、エルに対しても本当に申し訳ないと思うから、沙也加と香月ちゃんだっけぇ~? 僕の娘の名前は……。まあ、この二人をどうしようと言うか? 沙也加が先ほど泣いていた通りで、二人だけで今後暮らしていくのに少々厳しく、辛い生活になっていくと僕も思うから不安……。
特に香月は女の子だから、父親の僕としては不安で仕方が無いのと。香月は魔法が使用できることがわかったから、尚更沙也加だけに任せる訳にはいかない。
となれば? 僕が香月を引き取り育てるのが一番いいと思う。
しかし母親の沙也加と離れ離れに暮らさせるのは忍びないし、本当に困ったなと思い呻ると、洋子が声をかけてきたから声を返せば。




