394/531
題4話 小さなお姫様(25)
「うん」
「ああ」
「だよな……」
「一樹?」
「何、安田君?」
僕が友人達の会話を聞き困ったな、と思っていると、先輩が声をかけてきたので言葉を返した。
「……お前が王さましている国は一夫多妻がオッケーなんだろう?」
安田君が僕の妻達や家臣やメイド達まで見ながら苦笑を浮かべながら尋ねてきた。
「うん、まあ、そうだけれど……」
だから僕は先輩の安田君に隠し事をしないで嘘偽りなく言葉を返した。
「……じゃ、やっぱり、日本よりも向こうの世界へと、皆行きたいよの?」
僕の返した言葉を聞いた安田君は周りにいる友人達の顔を苦笑を浮かべつつ見渡すように見ながら尋ねた。
だからその後はこの通りでね。
「うん」
「行きたい」
「向こうの世界の方が夢もあるし、希望もあるけぇ、行きたいよね?」
「うん」
「確かに……」
「儂も」
「俺も」
「僕も行きたい! そして一君みたいなべっぴんさんの嫁さんと結婚したい!」
自分達の周りに大和撫子が達がいることを忘れて余計な言葉を漏らすから。




