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僕とエルフな勇者さまとの昭和の終わり。日常、商い。スローな両世界販売ライフの予定?(改修版)  作者: かず斉入道


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第39話 異世界の勇者様は自動車に驚愕しました(2)

「エルは昨晩、このボンゴの後部座席で睡眠しながらアパートまで帰宅をしたのだよ」


 僕は苦笑いを浮かべながらエルへと説明をすれば。


「うそ~!」とエルはまた驚嘆し、困惑をするから。


「──ほら、あそこ車走っている、じゃん……。それとあそこも!」と。


 僕のアパートの下の道路は、一応は団地内のバス通りだから、車の通りは多いから。


 その後も僕は走る、自動車を指差しながら。


『そら、あれ!』、『ほら、あれ!』と次から次へと指さすから。エルも十台以上も車が走行をする様子を見れば。


「……陛下の言われる通りで牛馬や怪鳥、オオトカゲが引かない馬車が、この世界にはあるのですね……」


 エルは自分の肩を落とし、落胆しながら言葉を返してくるけれど。


 僕からしてみれば、エルが今説明をしてくれた、《《怪鳥》》や《《トカゲ》》が引く馬車ってどんな感じなのかな? と思うから。


「エ、エルの世界では巨大な鳥やトカゲも馬車を引くの?」


 僕は自分の目が飛び出るほど驚愕しながらエルへと尋ねると。


「ええ、そうですよ。陛下……。陛下は覚えていないのですか? 自分のお国の馬車が牛馬ではなく、怪鳥やオオトカゲなどのモンスターに装甲戦車を引かしているのでしょうに」と。


 エルは僕に微笑みながら教えてくれたけれど。僕にはそんな記憶はないから。


「そうなんだ」と。


 もう一人の僕が住んでいた世界って、本当に恐ろしい世界……。国なんだな……。僕は顔色を変えながら思えば。


「……このボンゴは仕事用だから別の車……。軽自動車()に乗って、エルの身の回り品を購入しにいこうか……。じゃ、いこうか、エル」と。


 僕は、昭和の時代の団地の様子を不思議そうに見て観察しているエルフの女神さまの手を握り、引っ張って、別に借りている駐車場へと向かうのだった。



 ◇◇◇


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