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第4話 小さなお姫様(10)
《ガブリ!》、《ガブ!》《ガル、ルルル》
唸りながら僕の腕を噛む、妖艶ダークエルフの女王さまへと。
「レビィア、貴女、一樹の腕を噛むのを辞めて、そろそろ本題の事を話しなさい!」
奥のリビングと言うか? 家族が寛ぐ昭和らしい畳の部屋のコタツから出て、立ち上がってエルは、異世界の人種の国の王族の伯爵家令嬢さま……。
今は魔族の女王さまらしく凛と僕にじゃれてくる、もう一人の女王へとちゃんと振る舞えと諫めるから。
「……あい、わかっておる、勇者エルよ……。そんなに怒るで、ない、わらわだって偶には陛下と戯れたいのじゃ……。特に今の陛下は堅物な御方とだめ、だめな御方が融合し、交わり、反応が面白くて、わらわもからかいがある……。特にあのもの……。あの煩い奴がくるまでは遊ばせてもらわぬといかんからな。ふっ、ふふふ」と。




