第2話 地元って困るよね? (1)
「はぁ~! はぁ~! 何で、美紀~、あんたがぁ~、一樹の部屋。アパートにおるぅん、ねん? それも美紀~。あんたぁ~。なんちゅぅ服をきちょぉるんねぇ。あんたがきちょぉるんは晴れ着。着物をきちょぉるじゃんかぁ? 何でぇ、美紀~。あんたはぁ~! 特攻服かぁ! ボンジャンを着ちょぉらんのねぇ?」
僕がアパートの玄関の外から聞こえてきた新年の挨拶──ハッピーニューイヤーの言葉、台詞、挨拶……。
まあ、汗臭い男達ばかりの声ならばいいのだけれど。女性達の挨拶も聞こえてきたから。
僕は、まあ、この通りだよ。お妃さま達三人……。
と言っても?
美紀の奴は僕と一緒で地元が同じだから、玄関の外に居る女性陣の顔を見れば、誰が誰だかわかる。
しかしエルと翔子、レビィアの三人は顔を見ようが僕の友人だと言っても信用をしてくれないから。
僕はエルに『正座!』と怒声を吐かれ、指示を受け。
その後はレビィアと翔子、エルの三人にガミガミ、ブツブツと不満を言われ続けながら。
僕も三人へとかくかくしかじかと説明をしていたら、また先ほどと一緒で、無茶苦茶甲高い声音で美紀へと罵声を吐くから。
僕も二度も阿保の罵声を聞けば。
(あれ? この声って……)
と、流石に脳裏で呟いてしまうと。




