第2章 第1話 除夜の鐘と言えば? (11)
(あれ?)
と、僕は首を傾げるけれど。
「ハッピーニューイヤー!」
「新年、おめでとう」
「明けましておめでとう」
「おめでとう。ございます」
「一樹~。今年もよろしくねぇ~」
まあ、こんな感じで直ぐに僕の同級生の友人や後輩達……。
そして(ああ、エルが怒るだろうな?)と(エルとレビィア、翔子に何て説明をしようかな? あっ、ははは)と作り笑いを浮かべながら説明をしないといけないな……と、僕が思い。自分の額や背に冷や汗をかくような、女性の幼馴染や友人達の、除夜の鐘後の新年挨拶が僕達家族の耳へと聞こえると。
「……陛下、女性の笑い声や新年の挨拶が聞こえてきましたがどなたですか?」
異世界人種の近衛隊の隊長さま……。大将軍さまの一人であらせられるフリージアが、この場の雰囲気を察してくれず。自分の小首を可愛く傾げながら僕に尋ねてくるから。
《ジロリ!》
僕の予想通りにエルとレビィア、翔子の三人が自分の目を細め、冷たく見詰めてつつ玄関の外にいる女性達のことを尋ねてきたから。
「あっ、はははははは……。俺の幼馴染や友人、知人だよ……。あっ、はははははは」
と僕は三人へと笑い誤魔化しながら。
(本当に地元って嫌だな……。勘弁して欲しいよ……)
と思いつつ嘆くのだった。
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