第56話 エルフな、きよしこの夜(45)
「「えっ!」」
「「あっ!」」
「「はい」」
「「分りました」」
と、八つの首を持つ、恐ろしい表情のドラゴンは、下を向き、大人しく二人……。翔子さんと美紀さんの下知を承認、平伏をするのだ。
だから二人は声を揃えて、「よろしい」、「それでいいの、《《ヤマタノオロチ》》さん達」と、告げれば。
そのまま魔王へと突撃! 突進!
主の腕や首筋へと噛みつきを決行!
それを、その様子を凝視した洋子ちゃんは、「パパ浮気をしたの?」と、私に問いかけてきたから。
私は自身の首を振りながら「うぅん、パパは、浮気はしてはいないのだけれど。未だ洋子ちゃんの知らないママがいるみたい」だと告げれば。
「へぇ~、そうなんだ。じゃ、パパはママ達に叱られても仕方がないね」と、私に告げてくるから「うん」と、頷いたのだ。
でっ、その後は、この静かな中国山地の山奥の中にある《《モミの木森林公園》》に響き渡る……だけでないか?
この広大な中国山地……。それも? 少しばかり山の頂上が白くなっている山々に木霊、響き渡るぐらいの、魔王の絶叫、叫びが当分中国山地に木霊、響き。地揺れを起こした。
そんな《《クリスマスイブ》》の日だったらしい。
(完)
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