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第56話 エルフな、きよしこの夜(44)
まあ、おこなっても二人……。美紀さんと翔子さんの二人の勢いは止まる。制御できる訳でもないからね。二人は魔王に向けて猪突猛進──。
フン! フン! と、鼻息荒く魔王へと向けてくるから。家の主様の真横に並ぶ彼らは、《《ヤマタノオロチ》》達は、八つの顔が一つずつ大変に困った顔をしながら。
「閣下~」
「太后様~」
「お妃さま~」
「頼みますから」
「お気を沈めてください」
「男には良くある事」
「これも陛下の男として甲斐性ですから」
「ここはグッと、堪えて我慢を」
「「「「閣下」」」」
「「「「お妃さま」」」」
と、翔子さんと美紀さんに、嫉妬心で高ぶっている気を静め、落ちついて欲しいと嘆願、乞うのだが。
「貴方達は黙っていてくれる!」
「これは家、我が家の事だから。《《ヤマタノオロチ》》さん達は、口を挟まないでくれるかな?」と、翔子さんと美紀さんが険しい顔で、八つの首を持つ伝説のドラゴンである《《ヤマタノオロチ》》達へと告げ、諫める。下知をくだせばね。




